新卒で入社しSEやプログラマとして仕事を始めたものの、入社前に想像していた世界とはかけ離れていた。
認識していた仕事内容、会社とは異なる、このままここで月日が流れていくのは考えられない。
そう考え転職に踏み切るIT業界の新卒社員の方は多いものです。
とはいえ一定の経験と知識を得た上での転職とは違い、新卒での転職は少々特殊と言えます。
初めての転職を成功させるためには、しっかりと面接対策をしておくことが重要です。
ここでは、新卒SE・プログラマの方が異業種に転職するにあたり、押さえていただきたい志望動機の考え方や面接対策についてご紹介します。
転職の面接にはどんな心構えで臨むべき?
一般的に転職市場では、入社1~3年目までの転職希望者を「第二新卒」と呼びます。
数年前から第二新卒の採用は活発になっていて、大中小様々な企業で中途採用計画に別枠を設けています。
企業が第二新卒を積極的に採用するのには、いくつか理由があります。
- 現職または前職の在籍期間が少ないため、考え方などに柔軟性があること、新しい環境への適応スピードが速い
- 社会人としての最初の研修などは終えており、一定のビジネススキルは身に付いているため新卒ほど育成コストがかからない
そして、学生の時よりも企業を見る目が養われている(と期待できる)ため、採用後のミスマッチによる早期退職が少ないというのも企業側にとって大きなメリットです。
逆を言えば、第二新卒に求められるのは新鮮さ、柔軟性、一定のビジネススキル、企業理解ということです。
もちろん求人によっては第二新卒と表記されず、普通の中途採用と同じような目線で選考が行われるケースもあります。
いずれにしても、新卒での就職活動とは異なり、一度社会に出た者としての意識を持って面接に臨むことが大切です。
第二新卒が面接で聞かれることの多い質問
①転職理由
入社して数年で転職する理由は何かを確認されます。
企業がこの質問を通じて知りたいことは、同じ理由で辞めてしまうリスクはないかということです。
企業は中途採用にもコストを割いています。コストをかけて採用した社員が早期退職してしまうことは企業にとっては損失となります。
転職理由はネガティブな内容であることがほとんどだと思います。
一般的な中途採用面接の場合は、それをなるべくポジティブな内容に変換して伝えるようガイドしますが、第二新卒の場合は内容によっては伝え方を気を付けつつ、そのまま伝えることも可能です。
失敗を反省し、次につなげたいという姿勢を見せることが出来れば、第二新卒らしいフレッシュさで、印象は良くなります。
SEやプログラマの転職理由に多い不規則な勤務形態が転職理由の場合、異業種で規則的な勤務形態の企業からは一定の理解も得られるでしょう。
また、技術習得に限界を感じての転職の場合は、勉強をして知識を身に付けることは好きであるという前提のもと、SEやプログラマの技術習得の難しさを伝えましょう。
②志望理由
転職理由と志望理由は表裏一体である必要があります。よって、転職理由と志望理由はセットで構成を考えましょう。
さらに志望理由は「この会社だからできること」を述べる必要があります。
ここが欠けていると、今の会社でなければどこでもいいのでは?と返されてしまいます。
勤務形態や給与だけが本音の転職理由である場合は、転職理由と志望動機の一貫性が出るよう、転職理由の肉付けをしておく方が良いです。
SEやプログラマから営業などの対顧客接点の多い職種への転職を希望する場合は、その会社の商品やサービスを良く調べておきましょう。
時間や出費が許すものであれば、実際に商品やサービスを利用してみるのも良いでしょう。
イメージとしては情報処理で勉強する「ベン図」です。
③長所・短所
新卒面接でも必ずと言っていいほど聞かれる質問です。
新卒の就職活動では、これまでの学生生活の中でのエピソードを持ち出していたかと思いますが、一度社会に出た第二新卒ですので、入社後のエピソードを織り交ぜてみましょう。
これは、「強み」とその根拠、その根拠とはつまり実績や経験のことを指します。
「やる気だけは人よりあります!」というのは、もはや通用しません。
新卒で会社を辞めておいて、「やる気だけは・・・」なんて言えないでしょ?と見られる訳です。
④これまでの仕事で学んだこと
第二新卒は在籍期間が短いと言えども、社会に出て組織に所属し仕事をしている身です。
やる気を持って仕事に臨んでいたか、そのまま即戦力として生かせるスキルがあるかどうかを確認する質問です。
SE・プログラマに共通するであろう学びの一つに、チームでの仕事があると思います。
プロジェクト単位で納期厳守で業務にあたることを求められる仕事だからこそ、そこにおける学びもあるのではないでしょうか。
それらを活かし、コミュニケーションスキルや当事者意識の高さを伝えられれば、採用後のイメージもしやすく面接官に良い印象を与えられます。
⑤転職で実現したいこと
転職理由や志望理由と重複してOKです。むしろそれによってさらに印象付けることができるでしょう。
SE・プログラマの場合、プロジェクトにおいて個人の業績にフォーカスは当たりにくいものです。
自分自身の実績が正当に評価される場所に身を置きたいということを伝えれば、実力主義の会社や自主性を尊重する会社には好印象となるでしょう。
ただし、組織の規模が大きい大手企業の場合、それは社風に合わないと捉えられる可能性があるため、社風や昇進制度などをできるだけ事前に把握しておきましょう。
自分のやりたいことと、会社の方向性が合致する部分を強調しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新卒採用の時とは違い、転職は基本的に孤独な戦いです。
もし自分一人ではうまく進められそうにない、情報を集められそうにないと心配になった場合には、転職エージェントも活用しましょう。
履歴書や職務経歴書の添削はもちろん、企業の情報や面接対策に役立つ情報を提供してくれることもあります。
活用できるものは十分に活用しながら、より自分に合った仕事ができる会社に入社できるように努力しましょう。