就職して数年たち、これからの自分のキャリアを考え「転職」を検討する方は多くいます。
そして転職するならば、これまでの経験をそのまま活かして同業界・同職種でと考える方もいれば、心機一転新天地で頑張りたいと異業界・異業種への転職を希望する方もいます。
未経験での転職を多く受け入れている業界の一つに、IT業界があります。
今回は、未経験でIT業界のSE職に転職を希望する方に、転職活動をする際にぜひ知っておいていただきたいこと、取り組んでいただきたいことをご紹介したいと思います。
Contents
直近のIT業界転職事情
IT業界はここ数年、業界全体の成長と慢性的な人手不足が相まって、転職希望者には有利な売り手市場という状況が継続しています。
この先さらなる成長が見込まれる業界であるにも関わらず、日本社会全体の労働人口減少も影響し、2030年には79万人もの人材不足も予想されるほどです。
そのため企業は早期の人材不足解消のために、積極的に採用をしています。
特にこの業界は、未経験者歓迎求人、第二新卒枠など、育成も視野に入れた中途採用を積極的に行っています。
つまり、未経験でIT業界への転職を希望する方にとっては、追い風が吹いていると言える状況なのです。
文系でプログラム未経験でもSEになることはできますよ。というか、有名どころの大手SIerで上流SEやっている人はITベンダーに丸投げするだけなので例外なくプログラム組めないです。
実際のところ何歳まで未経験でSEに転職可能?
業界についても、職種についても、全くの未経験として飛び込むのであれば、やはり有利なのは20代までです。
特に有利なのは、26歳までの第二新卒枠で採用可能な方々です。
大手SIerでは数百名規模で第二新卒の採用をすることもあり、チャンスはかなり多いと言えるでしょう。
また、大手SIerや大手コンサルは研修制度も充実しているため、入社後のキャッチアップも安心です。
次に未経験でSEへの転職が比較的しやすいのが、27~32歳程度の方です。
しかし、第二新卒の枠を超えた場合難易度は少々上がります。
全く何も知識やスキルを持たない状態で臨むのは、多少なりともリスクがあると考えた方が良いでしょう。
ではSEに転職するために事前にやっておくべきことは何か、それはプログラミングスキルを身に付けておくことです。
スキルを身に付けるために効果的な方法はまた後程ご紹介します。
上記でコメントしたように、SEになるにはプログラムが書けることが必須ではないです。でも、プログラミングスキルを身に着けると転職には確実に有利にはなります。会社によっては、プログラミング的な適性検査や面接で現場の人から技術系の質問をされるということもありますし、プログラミングスキルの重要性が分かっている人事や役員がいる場合確実に評価は高くなります。
30代半ばの未経験転職はブラック企業のリスクが高くなる
それ以上の年齢の方の場合、未経験での転職は30代半ばくらいまでが限界です。
というか、できることはできるのです。私もそういったケースは見てきました。
しかし、その年齢の方を未経験で採用する企業は、人売りSES企業であることが殆どです。
こういった人売りSESは、大手SIerの調整弁として、SEを供給する役割を担っていますが、エンジニアの意志とは関係なく炎上案件でも平気でSEを投入します。更に、案件が決まらず待機が長くなればクビ、ということも平気です。一言でいうとブラック企業ですね。
高い専門性を必要とするSEの場合、専門知識や経験を持たない状態で採用することは会社にとってリスクとなりえます。
つまり、そのリスクを取ってでも採用をするということは、深刻な人手不足の状態で激務を強いられる可能性が高いと予測できます。
30代半ばで業務未経験でSEへの転職を希望するのであれば、プログラミングの基礎知識を身に付けていることや、転職希望先にコネクションがあるということが必須でしょう。
個人的に実際に見てきた事例としては、SES会社が、客先常駐をさせる要員に困って、30代で未経験の人を採用し、全く教育をしないまま現場に投入するというケースがありました。こういったケースでは単価の安い運用保守の場合が多いですし、開発技術は身に付きません。30代半ば未経験でも正社員採用、「手に職を付けたい!」ということで飛びついてしまう気持ちも分かりますが、現実は厳しいことを分かっておいた方が良いでしょう。
なぜSEなのにプログラミングスキルが必要なのか?
上記では、大手SIerのSEはプログラミングができない、と書きました。一方で、プログラミングスキルは転職に有利と書きました。
一体どっちなの?矛盾しているのでは?と感じた方がいるかもしれません。
その点について詳しく説明します。
まず、システムソリューション業界の構造として、大手SIerのSEは要件定義をして設計する、そして下請けのITベンダーが、設計書を元にプログラムを書くという流れがあります。
しかし、業界で経験を積んだ人ならわかるように、プログラミングが出来なければ、本来まともな設計書は書けません。PG設計書のようにプログラムに近ければ近い設計書になるほど、あれ?これじゃプログラム組んでもまともに動かねーぞ!?ということが起こり得ます。
実際にプログラミングのことを念頭に置いて設計書を書かなければ、なんとなくの机上の空論になってしまうからです。
そして、現在でもシステムの開発は、設計→プログラミング→テストというウォーターフォール型のワークフローが採用されがちですから、プログラミングが出来ない上流工程のSEがダメダメな設計書を作り、プログラム作成の工程で大爆死≒デスマーチ発生という流れは未だに続いています。
これは非常に問題となっており、現在はアジャイル開発などの工程管理手法が出てきたりしていますが、結局はユーザ企業のIT部門がSIerにシステム開発を丸投げすることから、多重下請け構造にフィットしやすいウォーターフォール型の開発が辞められない訳ですね。
一方で、デスマーチが発生するとSIerも困る訳です。
ですから、大手のITコンサルやSIerでコンサルや上流SEの採用では、技術についてしっかりとした知識を持っている人、プログラムができる人を採ろうという流れがあります。
これは実際に私が以前に転職活動をした際に、多くの求人票を見て、適正検査や面接を受けて確認したことです。
ですから、もし未経験でSEになりたいというのであれば、情報処理技術者試験に合格して技術を身に付けたような気になるのではなく、実際にプログラミングの経験を身に着けることをおススメします。
プログラミング習得の目安期間は
まず「プログラミングができる」レベルを定義したいと思います。
一言で言うと「業務で使える」レベルです。プログラムの難易度や実装方法にもよりますが、1日で100行位は書ける程度でしょうか。
とはいえ、採用した会社側としても未経験者には多くを期待しておらず、テスターなど比較的ロースキルでできる作業を任されるので、プログラムができるレベルにまで達している必要はありません。
ですから、事前のプログラム学習期間としては、約3カ月程度と思ってください。これは概ね新人研修と同じ期間ですから、採用する側も納得しやすい期間です。
勿論、6ヵ月以上の学習期間があれば、より評価されることは間違いないでしょう。
しかし、現実問題として、無職で6ヵ月は精神的にも金銭的にも辛いと思います。
また、6ヵ月間が全て自己学習でなおかつ明確な成果物がなければ空白期間とみなされ「遊んでいたんじゃないの?」と書類審査、採用面接の際にツッコまれること間違いなしです。
ですから、採用試験のことを念頭において、空白期間を生じさせないやり方で学習しましょう。
具体的には、
- 自己学習でも、成果物を作り上げる
- プログラミングスクールへの通学する。できれば成果物を作り上げる。
です。
これらを会社を辞める前に始めておくのがよいでしょう。
プログラミングスキルを効率的に身に付ける方法とは
まったくゼロの状態から独学でプログラミングの知識を身に付けることは容易ではありません。
しかもIT技術は日々進化を続けていて、ついこの前までメジャーだったものがすぐに陳腐化していってしまいます。
そのため、実際に現在進行形でSEとして最新の技術に触れている人から学ぶことが最も効果的です。
そして、自分以外の誰かに、チェック&修正の指導をしてもらうこと、これがプログラミングが上達する近道です。現場で実際に仕事をすることが最も成長するというのは、逃げられない環境と納期というプレッシャーの元でコーディングとチェック(テスト)を繰り返すからです。
くれぐれも本屋で買った入門書やインターネットの入門講座と自分の精神力(≒やる気)でプログラミングを学ぼうとしないで下さい。
断言しますが、絶対挫折します。
何故なら、本やサイトの通りに打ち込んでいるだけだと、間違いなくつまらなくなるからです。
なにこれ、面倒臭い。結局ソースをコピペすれば済む話じゃん!となるのです。結局、コピペしてコンパイル&実行、はい終了!です。
社会人でプログラミングを仕事にしようとして始めた人は、プログラミングの面白みがなかなか見いだせないんです。
結局、明確なゴールを与えられ、逃げられない環境に置かれるからこそ、嫌々ながらも手が動くのです。それが人間と言うものです。
ですから、できるだけプログラミングスクールに通うことをおススメします。今なら無料で学べるところもありますので、敷居は確実に低くなっています。
また、副次的な効果として、プログラミングの基礎知識を習得できるだけではなく、課題として取り組んだことを開発実績として採用担当者に伝えることも可能です。つまり、採用試験対策として有利となる側面があります。履歴書に空白期間を作らないこともメリットです。
そして、私のおススメは、エンジニアとしての転職支援までしてくれるプログラミングスクールです。
転職エージェント系のプログラミングスクールや、プログラミングスクールに転職支援サービスを付加させたサービスですね。
有名どころのスクールは下記の通りです。
料金については無料のものから60万円近くかかるものまで多岐に渡ります。
なお、受講後、平均して1か月程度で転職に成功している方が多いようです。
転職支援やキャリアプランニングなどのフォローの手厚さなどによって金額の差も大きく異なります。
内容を比較しつつ、先行投資としてどのくらい費用をかけることができるか、吟味しながら選んでみると良いでしょう。
現在最も使われているJavaや、機械学習と親和性の高いPython、Webで使われるPHPなどがおススメです。
SEになるために必要な適性
SEとして仕事をする上で、プログラミングの知識はもちろん重要です。
しかしプログラミングの知識があるだけでは、SEとして活躍する姿は見えてきません。
SEとして転職後に活躍するためには、以下のような素養を備える、もしくは身に付けていく必要があります。
・論理的に物事をとらえ、俯瞰できること
・コミュニケーション能力
・新しいことに挑戦し続ける姿勢
SEの仕事というと、とにかくPCと向き合っている仕事、技術を身に付けていれば大丈夫と考える方も多いのですが、SEの仕事は想像以上にコミュニケーションスキルが必要とされます。
それぞれの仕事をプロジェクト単位で進めていくため、円滑に進行していくためのチーム内でのコミュニケーションはもちろん、顧客との折衝も多くあります。
また、日々技術は革新されていくため、新たな情報や技術に常にアンテナを張り、それを取り入れるフットワークの軽さも求められます。
SEに転職したいけれども上のいずれかに不安がある場合は、苦手意識を克服する努力をしましょう。
未経験でSEになりたい人が採用面接にどのように臨むべきか?志望理由・動機のまとめ方と伝え方
異業種からのSEへの転職。耳慣れない専門用語や知識、いろいろなものをインプットしなければ転職は成功しない…と焦る人も多いでしょう。
もちろんSEという職種柄、業務における技術や知識は重要です。即戦力を求める採用であれば、それらを抜きにして面接に臨むことはまず不可能でしょう。
しかし未経験採用の場合、面接で見られるポイントはSEとしての技術や知識の豊富さではありません。
ここでは、未経験で異業種からSEへ転職する場合、面接に臨む前に押さえていただきたいポイントについてご紹介します。
SEの仕事内容を理解しておく
まず、SEの仕事内容を改めて整理してみましょう。
企業によって担当範囲は多少異なる可能性がありますが、一般的に、SEはクライアントのニーズを把握し、システムの設計をするまでのいわゆる上流工程を担当します。
一連の流れを順を追って並べるとこのようになります。
①ヒアリング・要件定義
クライアントの要求をヒアリングし、開発するシステムの全貌を明確にします。
その後開発に必要な期間や予算を算出し、顧客と目線合わせをして次のフェーズに進みます。
②基本設計
①で確認したヒアリング内容や要件定義をもとに、システムの設計を行います。
実装する機能や操作方法などのベースとなる部分の設計です。
③詳細設計
基本設計に対し、どのような仕組みや技術で開発を進めるのかを設計します。
プログラマがプログラミングをするための詳細な設計です。
④テスト
プログラミングにより完成したシステムを、実際に設計通りの動作をするかをチェックします。
また、システム開発はプロジェクト単位で行われるため、綿密なスケジュール管理やメンバーのとりまとめをリーダーのSEが担当します。
つまり、SEとして経験を積み、リーダーを務めるようになった場合、設計業務だけではなくマネジメントも業務内容に含まれるということです。
SEとしての素養
上に書いたSEの仕事内容を踏まえて考えると、SEとして重要な素養は自ずと明らかになるかと思います。
コミュニケーション能力
クライアントのニーズを正確に把握し、それに沿ったシステム開発をするためにはコミュニケーション能力は欠かせません。
また、顧客の要望を必ずしも叶えられるとは限りません。無理難題を言われることもあれば、予算内では収まらないといった事態も起こり得ます。
そういった時に顧客との折衝をすることもSEの仕事です。コミュニケーション能力なしには対応できません。
全体像を把握するスキルと技術力
ヒアリング内容や要件定義したものをシステムの設計に落とし込む仕事をする上で、全体を把握しそれを管理する能力が求められます。
また、実際のプログラミングをするのはプログラマですが、その前段階の設計をするのはSEです。
プログラミングの基礎知識はもちろん、最新の技術も身に付ける努力は大切です。
マネジメントスキル
SEとして出世していくことを目指すのであれば、マネジメントスキルが強く求められます。
プロジェクトの納期に間に合わせるためのスケジュール管理、メンバーの業務管理や進捗把握など、プロジェクト全体のマネジメントを任されることとなります。
面接官が見ているポイント
ここまでご紹介してきた内容は、実際にSEとして働いている人に求められるものです。
それでは、未経験でこれからSEになることを望む人に対し、企業側はどのようなことを求めるのでしょうか。
実際に面接担当者から聞いた未経験者採用面接で確認するポイントをご紹介しましょう。
協調性、社交性
上述の通り、SEの仕事はコミュニケーション能力が求められます。
未経験でSEの転職を考える方の中には、黙々とPCと向き合う仕事を想像する方も多いのですが、実際は想像以上に顧客折衝やメンバーとのやり取りが多い仕事なのです。
そのため、未経験者の面接では協調性や社交性があるかどうかはかなり大切なポイントとなります。
営業やサービス業、飲食、接客業をしていた方は好まれる傾向があるそうです。
素直さ
異業種にキャリアゼロの状態で転職するのであれば、新たに覚えることも盛りだくさんです。
未経験だとしてもあくまで中途採用。妙なプライドは一度捨て、謙虚な姿勢で取り組もうとする人は面接官から見ると好印象です。
実際に採用されてからSEとしてキャリアを積んでいく上でも、その素直さは必ず武器になります。
常に新しいことに興味を持ち、チャレンジする姿勢
IT業界は変化のスピードが速く、次々と新しい製品や技術が登場します。
つい最近まで使っていたものがいつの間にか陳腐化しているといったようなことも日常茶飯事です。
そのため、新しい変化に興味を持ってそれをどんどん取り込んでいく姿勢が重視されます。
興味を持ったことは自分で調べて取り入れてみているといった積極性をアピールする人は好印象のようです。
前職の業務内容の詳細
前職が転職希望先の企業がシステム開発をしている業界であれば、多少なりとも親和性があるためメリットとなります。
また、前職でチーム単位での業務経験やマネジメント経験があれば、SEの仕事にも生かせるためアピール必須です。
いかがでしたでしょうか。
未経験でSEへの転職を考えている方は、上で書いた面接官が見ているポイントを踏まえ、しっかりとアピールポイントを整理しておきましょう。
未経験でSEになりたい人が転職先を紹介してもらうには
上記で述べたように、ブラックSES企業であれば、いつでも転職サイトで求人を行っていますが(なぜなら、常に人が辞めるので、いつでも募集しているのですw)、自社サービスを持っているなどの良い企業となるとその数は少なくなってしまいますし、見分けるのは至難の業です。
ですから、できるだけ転職エージェントを利用して厳選された非公開求人を紹介してもらうようにしましょう。
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