このページでは客先常駐に向いていない人についてお話していこうと思います。
- 自分が客先常駐に向いてないのではないか?と思っている
- 客先常駐SEに疲れてきた
- 客先常駐SEとして働いているけど将来が心配だ
- 転職しようと思っている
こういった方向けの記事です。
著者は現役のフリーランスエンジニア(元客先常駐SE)です。
客先常駐に向いていない人には特徴があります。
ストレスを抱えたまま働いたり自分のキャリアプランとマッチしない環境で働くことは時間の無駄でしかありません。
自分が客先常駐SEに向いているかじっくり考える機会になれば幸いです。
Contents
チェックポイント①仕事にやりがいを求める人
私が色々なエンジニアに話を聞いてみたところ、客先常駐が合わないと感じる理由のナンバーワンはこちらです。
何のために働いているかわからないという理由です。
言い換えればやりがいがないと言ってもいいかもしれません。
どんな仕事をしていてもふっと虚しくなったりという瞬間はあります。
ただし客先常駐SEの場合、他の職業に比べて圧倒的にこのような事を感じる割合が高いのは事実。
実はこれには理由があります。
客先常駐の仕事は雑用?単調な仕事が多い
理由の一つとして客先常駐での開発作業は「単調な仕事が多い」点があげられると思います。
全ての仕事がそうではありませんが、割合が高いのは間違いありません。
その理由には現在のIT業界の下請け構造が関係しています。
上位レイヤーやクリエイティブな部分はSlerなど商流の上位レイヤーが担当します。
下位レイヤーにあたる客先常駐SEに回ってくるのは、人海戦術で何とか納期に間に合わせるような単純作業ばかりという現実があります。
チェックポイント②ストレス耐性が低い人
客先常駐SEに向いてない人の特徴としてストレス耐性が低いことがあげられます。
著者は多くのエンジニアを見てきましたが、やはり客先常駐を続けれらないのはこのタイプです。
というのも客先常駐というのは理不尽の連続です。
- 慣れない開発環境、狭い・汚いプロジェクトルーム(50人の部屋にトイレが1つとか)
- 人間関係(嫌味・苦言だらけのエンドユーザ、契約関係を盾にする元請け会社)
- 作業の進め方(無意味なプログラム・レビューなどのエンドレス作業)
など非合理な環境に放り込まれる訳ですからストレスがたまらないほうがどうかしているのです。
客先常駐SEは立場が弱い
また、客先常駐の場合どうしても顧客やプロパーの立場が強く派遣SEの立場はめちゃくちゃ弱いものです。
(このあたりはあなたも経験済ですよね?)
これによってさらにストレスを抱え込む、という悪循環が生まれるわけです。
客先常駐SEの場合、非合理なものや効率の悪い作業に関しても立場が弱いため改善することができません。ただただマシーンのように言われた仕事を非合理な方法でこなすだけの作業員になるしかありません。
私が、経験した現場でも、プログラムソースをわざわざ人の目で見てチェックし、半角スペースが一つ多いだけで、アウトにするような現場がありました。
なんで自動整形ツールを使わないの??と私は理解不能でしたが、立場の弱い客先常駐SEにはそんなことが言えるわけはありません。
客先常駐ではこういった無意味に理不尽な作業をやらせられることが多いのです。
これが客先常駐SEが鬱になる人が多い原因でもあります。
つまり鋼鉄のメンタルを持っているか、ちょっとアホな人は客先常駐に向いている。
ストレス耐性が低い人は客先常駐に向いていない。と言えます。
あなたはどっちでしょうか。
チェックポイント③プライドが高い人
客先常駐SEに向いてない人の特徴としてプライドが高いことというのもあげられます。
これは上述した客先常駐SEの立場の弱さということとも関係しています。
客先に派遣され現場に入ると多くの場合、指示は現場のリーダーや上長から受けます。
たまたま優秀な方のチームに配属されればいいのですが、残念ながら業界的にそういったケースは少ないのが
現実です。
プログラミングの知識が異様に低かったり知識が古かったりするおじさんがのさばっている事が多々あるのです。
そういった方に指示を受けるのはプライドが高い人には大変つらいと思います。
そんなことないでしょ?と笑う人もいるかもしれませんが、これは実際に起こります。なぜなら、元請けのSIerやIT部門の人は、かなりの確率で仕事ができないからです。彼らは入社した瞬間から下請けITベンダーにおんぶにだからです。彼らがやっているのは、ベンダーマネジメントというなの、伝言ゲームに過ぎません。
言葉は悪いのですが、ゴマすりが得意だったり社畜度の高い人は客先常駐に向いている。
逆にプライドが高い人は客先常駐に向いてない。と言えます。
あなたはどっちでしょうか?
チェックポイント④技術志向が強い人
客先常駐SEに向いてない人の特徴として技術志向が強いことがあげられます。
著者の知り合いでも技術志向が強いエンジニアは(時期の違いさえあれど)ほとんどが独立したりスキルアップのために転職する道を選んでいます。
技術志向の強いエンジニアで客先常駐を続けている、という人は非常に稀です。
これは何故なのでしょうか?
理由は簡単で、客先常駐の場合自分の意志で現場を選ぶことが難しいからです。
もちろんケースバイケースですが、自分の希望度の低い現場に会社都合で入れられたりなかなか抜けることができないということは日常茶飯事です。
いうまでもなくエンジニアのスキルは現場で培われます。
長期的にみると客先常駐で働くということがどれだけスキル面での機会損失を生んでいるのか、ということに気がつくと思います。
特に問題なのは、金融機関系、製造業などのCOBOLシステムの存在です。私も経験していますが、SE稼働率を維持するために若手のエンジニアがCOBOLのプロジェクトに投入されるなどの事態が起こり得ます。Open COBOLなどCOBOLも進化していますが、基本的には衰退するものです。今はJavaが全盛ですし、オープンソースを使ったシステム構築が当たり前になっています。Googleだって公式使用言語に、COBOLなんて採用していません(笑)そのプロジェクトにいる間は、完全な機会損失と言えるでしょう。
そのあたりに全く無頓着な方は客先常駐に向いている。
逆に自分のスキルを高めたいという意識のある方は客先常駐に向いていない。と言えます。
あなたがどっちでしょうか?
チェックポイント⑤プライベートの時間を有意義に使いたい人
客先常駐SEに向いてない人の特徴としてプライベートの時間を有意義に使いたいことがあげられます。
客先常駐の場合、どうしても派遣先のプロジェクトの状況に稼働時間が左右されます。
周りが忙しいのに自分だけ定時で帰る、というのはSES業界においてはタブー視されることもあります。
(場合によっては所属会社に大きなクレームになることも少なくありません)
もちろんこのあたりはエンジニアである以上、どういった働き方を選んでも避けることができない部分だと思います。
ただし客先常駐は特に残業時間が現場に依存してしまいます。
暇なときは暇だけど、忙しくなると月に100時間残業させられる、というようなケースもあります。
このあたりは全く自分のコントロールが聞かないというのが客先常駐のネックです。
エンジニアである以上、残業はいくらでもするぞ!というガッツのある人は客先常駐に向いている。
プライベートの時間やライフワークバランスを重視したい、という人は客先常駐に向いていない。と言えます。
あなたはどっちでしょうか?
ちなみに、ガンガン残業しているのに残業代が出ないというケースは、また別の問題としてあります。年俸制やみなし残業、裁量労働制という名のもとに、残業代が出なかったら速攻で労基署に駆け込みましょう。
チェックポイント⑥承認欲求が強い人
客先常駐SEに向いてない人の特徴として承認欲求(人に評価されたい、認められたい、褒められたいという欲求のこと)が強い人が挙げられます。
このような人は仕事の成果はしっかりと褒めてほしい、会社では評価や年収基準がきっちりしてほしいと考える傾向にあります。
これはちょっとわかりにくいと思うので説明させていただきます。
客先常駐エンジニアは決して褒められない
これは、業界の構造的な部分なのですが、SE/プログラマーは設計ミス、バグが一切ないことが当たり前とされています。
ですから、怒られることはあっても、褒められることは殆どありません。特に客先常駐は、炎上案件に投入されることが多々ありますから、元請けからすると下請けに褒めて頑張らせるよりも、怒鳴ってでもやらせることになりがちです。
これは、そもそもユーザ企業のIT部門が、事業部門からコストセンター/出来て当たり前的な扱いを受けているケースが多く、外注先にもここぞとばかりに、厳しく接することが背景としてあります。
最も深刻なのはやはりSIerを頂点とするシステムソリューションビジネスの現場なのです。
自社の人事制度がファジー
客先常駐をさせる会社はっきりいっていい加減なことだらけです。
正直真面目な人やカッチリしている人には耐えられない部分が大変多いのです。
ちょっと思いつくだけでも
- 給与体系
- 昇給制度
- 評価制度
- 退職金制度
などなど。
このあたりは派遣ビジネスの根幹に関わる部分なので、雇用企業としてはファジーにしておきたい部分なのです。
もう少しつっこんだ話をすると会社の経営状態が悪化した時に社員の給料を減らすことで調整したいからです。
また、評価制度や昇給制度もその時の資金繰りの状況などを反映したいのが本音です。
そのためSES企業では本当に明確な基準を打ち出しているところはごくごくわずかでブラックボックスにされています。
しかも、毎年大量の人が辞める前提のビジネスですから、退職金もできるだけ支払わないようにしているケースが多いようです。ちなみに私は5万円も貰えなかった記憶があります。
とにかく毎月目の前の給料がもらえていつだけで満足できる方は客先常駐に向いている。
評価や年収の基準が明確でないとモヤモヤするタイプの方は客先常駐に向いていない。と言えます。
あなたはどっちでしょうか?
効果的なストレス解消法とは?
上記のチェックポイントに当てはまれば当てはまる人ほど、多くのストレスを抱えていると思います。
そこで、ここではストレス解消法を紹介したいと思います。
なお、ここでは私個人の経験というよりも、お医者さんのアドバイスや論文などのエビデンスに基づいて書くようにしていますので、ある程度多くの人に当てはまると思います。是非参考にしてみて下さい。
とにかく余計な時間を排除!睡眠をとりまくる!
客先常駐SEのストレス解消に一番大事なのが睡眠時間を確保することです。
忙しいエンジニアはとにかく睡眠時間が削られてしまいます。
これがパフォーマンスの低下を招きさらに長時間稼働へと繋がります。
これがいわゆる鬱発症の典型的なパターンです。
自身の自覚がなくても軽度の鬱状態で働いている人は実はたくさんいます。
実はこれは非常に恐ろしいことです。
まずは自分をニュートラルな状態の戻すことが大事です。
コツとしては可能な限り無駄な時間を削り睡眠に充てることです。
家に帰ってからの
- ダラダラTVを見る時間
- スマホをいじる時間
- 色々なことを考える時間
こういった時間を意識的にカットしましょう。そして
- 食事と入浴をしたらすぐに電気を消してベッドに入ること
- すぐに寝つけないからと言ってスマホをいじらず目を閉じること
- 最低7時間の睡眠をとること
これを徹底しましょう。寝る前にストレッチなど軽く運動するのもおススメです。
繰り返しになりますが睡眠時間を確保しまずは心身ともに健康な状態で働けるようにすることを意識しましょう。
1.寝る前のスマホを止める(ブルーライトで寝れなくなるから)
2.コーヒー、エナジードリンクは止める
3.筋トレをする
ことで、直すことができました。
体を動かすこと!筋トレはめちゃくちゃおススメ!
客先常駐SEのストレス解消に次に大事なのが体を動かすことです。
特にエンジニアは圧倒的に運動不足の傾向があります。
体に適度な負荷を与えることでストレス解消にもなりますしぐっすりと眠れるようになります。
また、朝の目覚めもいいので騙されたとおもってやってみてください。
男性の場合、歳とともにテストステロンという男性ホルモンが出にくくなり、これが鬱や心身症の原因になると言われています。
筋トレをすることによって、テストステロンが出るようになり、気分がすっきりしたり、やる気が出たりするようになります。これは、ちゃんとエビデンスのあることなので、おススメです。ちなみに、マラソンは続かないのであまりおススメしません。
それだけではありません。
- 肥満化の防止
- 成人病の予防
- スタイルの維持
など健康面でもいいことだらけです。
土日に小旅行!自然に触れよう
ストレス解消に非常に有効なのは、森林浴など自然に触れることであるとの研究結果があるようです。
ですから、都内にお住いのエンジニアであれば、皇居や新宿御苑、奥多摩などに行ってみるだけで効果があります。
他にも、山登り、ハイキング、露天風呂なども非常に効果があると思われます。
間違っても日がな家の中でゲームするのは止めましょう。それよりも近くの公園に行った方がいいです。
そして、スマホを見ない時間を作って、森の中を散歩してみてはいかがでしょうか?
現場をかえてもらように会社に交渉してみる
どうしても現場に出社するのがストレスになるようであれば会社に交渉するという方法もあります。
客先常駐SEの場合、どうしても自分で現場を選べないため自分を守るためには仕方がありません。
ただしこの方法にはデメリットがあります。
それは会社に
- ワガママだと思われてしまう
- 会社からの評価が下がる
という点です。
長期出張ばかりの客先常駐人生にサヨナラしたエンジニアに話を聞きました
客先は同一企業であっても日本国内に複数の工場があるので、数週間~数ヶ月単位で移動します。トラブル発生時には以前導入した工場へ緊急にて出向くこともあるので、休日であっても常に呼び出される状態の生活が長く続いていました。
いよいよ持ち家が欲しいとなった時点であっても、移動ばかりではどうにもならないことが判明して長期出張が少ないSEに転職出来ないかと考えるようになったわけです。少なくとも子供が小学校へ入学する前には落ち着く必要があったので、結果的に急がなければならないという状態に陥りました。
社内にて詳細設計から実装に至るまでのプログラマー管理が中心となっていて、プロダクトマネージャーからの設計指示書に問題がないか確認した上で工程管理を行えば良い状況から、プライベートと仕事を完全に分けることが出来るようになりました。
家族サービス中の緊急呼び出しに応じるためにレジャーを制限する必要が無くなったので、しっかり公休日に休んでリフレッシュしてから勤務に望み集中力がアップした状態で日々の業務に携わることが出来るようになって良かったです。
まとめ
客先常駐に向いていない人というテーマでお話してみました。
自分は客先常駐という働き方が向いてないかも?と思ったらすぐにでも転職することをおススメします。
理由はいくつかあります。
- 年齢が少しでも若いほうが市場価値が高いため転職しやすい
- 客先常駐SEは低年収が多いため、転職により容易に年収がアップできる
- 40代になると転職先の選択肢が非常に少なくなってしまう
ためです。
また、派遣型企業を脱出してもブラック企業に転職してしまっては何の意味もありません。
優良企業を狙うのであれば転職エージェントに利用は必須です。
個人で転職活動するよりも情報量が段違いですし、あなたの経歴やスキルから狙える企業に入社するまで効率的にサポートを行ってくれるからです。
著者おススメの転職エージェントを紹介しておきますので是非相談してみてください。