このページでは客先常駐のピンハネ率をテーマにお話しをしていこうと思います。

  • 給料がめちゃくちゃ安い
  • 経験を積んでいるはずなのに一向に給料があがらない
  • どうすれば給料が上がればいいかわからない

こういった方向けの記事です。
この記事を最後まで読むことでSES企業のピンハネ率と業界の仕組みについての理解が深まりますので興味がある方は是非参考にしてみてください。

【結論】SESや客先常駐のピンハネ率は思っているよりエグイ

まずは結論から。
客先常駐のピンハネ率はあなたが思っているよりずっとエグイです。

一概にはいえませんが、30%から50%抜いているなんてケースはざらです。

著者は元々小さいながらエンジニア派遣の会社を経営していたこともあり受注単価とエンジニアの給料の関係については熟知しています。

人材ビジネスにおいて利益を最大化するためには

  • エンジニアを多く入社させる
  • クライアントからの受注単価を上げる
  • エンジニアへの支払いを抑える

この三点が最も重要です。
ただしエンジニアの獲得は競争が激しく、大手やベンチャーに太刀打ちするのはそう簡単ではありません。
また、クライアントからの受注単価を上げるのは時間がかかりますしプロジェクトの予算も関係するためそうそう容易にはいきません。
最も手っ取り早く利益を最大化するのがエンジニアの支払いをおさえ搾取するというやり方です。

ピンハネの具体例

ではピンハネの具体例についてお話していこうと思います。

クライアントからの受注金額(一人月)が70万円の場合、エンジニアに35万円の給与しか支払われないなんてケースはざらですね。

この35万円から税金や社会保険料が控除される訳ですから、手取りは大体28万円前後となります

もちろんケースバイケースですが、経験者のSEはだいたいこれくらいはピンハネされていると思っておけばいいでしょう。

私
直近で話した人だと、単価が月80万円、手取りが30万程度でしたね。

多くの派遣会社はクライアントからの受注単価を明らかにしていません。
また、受注単価とエンジニアの給料の相関関係を明確にしている企業も少ないです。
多くは人事考課において

  • スキル面の評価
  • 本人の勉強や努力
  • クライアントからの評価

といった数値化しにくい部分を対象にして給料が決定される仕組みになっています。
こういった目に見えない部分を指摘されてしまうとまるで自分に問題があるので給料が上がらないと錯覚してしまいます。

私

それを逆手にとって実際クライアントからの単価はガンガン上がっていてエンジニアの評価は高いのに理由をつけて給料をあげないなんてことも頻繁に行われているのです。

それはめちゃくちゃ怖い・・・!

転職パンダ
転職パンダ
私

このようにしてエンジニアの給料をできるだけあげず搾取するというのがピンハネ企業のテクニックなのです。

ピンハネされたお金はどこに行くの?

それでは具体的にピンハネされたお金はどこに行っているのか、書いていこうと思います。

先ほどの例だと70万円のうち35万円がピンハネされていました。

この35万円は基本的に経費や利益の積み上がったものとなります。

具体的には

  • 会社の賃借料
  • 広告費や通信、光熱費
  • 総務など間接部門の人件費
  • 役員報酬
  • その他経費もろもろ
  • 利益

です。

これを見て客先常駐ビジネスのおかしさに気付いた人も多いと思います。

  • 会社の中はガラガラなのに会社の家賃、光熱費を払い続けている
  • 我々と同じような客先常駐SEを雇うために転職サイトなどに広告が出されている
  • 毎日定時で帰宅する暇な総務に給与が支払われている
  • 毎日飲みに行って太り続ける役員に高額な役員報酬を払い続けている
  • 利益が株主(多くはオーナー社長や役員)に配当され、社員には還元されていない

毎日へとへとになるまで働かされて終電で帰っている我々の稼いだお金がこのようなことに使われていることに絶望を禁じ得ないエンジニアなどいるはずがありません。

 

優秀なエンジニアほど搾取されるのが客先常駐

さらに重要な点が一点あります。
それは優秀なエンジニアほど搾取されるということです。

私

いくらピンハネしようと思っても経験の浅いエンジニアですとクライアントは単価を出しませんので、旨味がありません。
また、経験の浅いエンジニアは待機になったりスキル面でのクレームがあるため雇用側もリスクを抱えています。

企業側が最もおいしいのが経験者のエンジニアです。
IT業界は売り手市場のため経験者であればかなりの高値で売ることができます。
エンジニアには適当に理由をつけて昇給しなかったり給料を安く抑えることができれば企業にとってはウハウハです。
エンジニアは一度入社した企業を転職するのは勇気がいりますし、年収アップの交渉は精神的な負担が大きい面もあります。
企業はこういった立場の違いに付け込んで搾取しますし、経験のある優秀なエンジニアが泣かされているというのが派遣型ビジネスの本質なのです。

客先常駐SEは年収交渉すべし!

派遣型ビジネスとピンハネの仕組みを知ってればエンジニアがめちゃくちゃ搾取されているという現実にが気がつくはずです。
客先常駐SEにおススメなのが自社に対して年収交渉をすることです。
経験者であればかなりマージンをとっているケースが多いので退職をちらつかせれば給料がアップしないということはまずないはずです。

ただし会社との関係が悪化することもありますので慎重に行う必要はあるでしょう。

転職パンダ
転職パンダ

また、年収交渉が成功したとしても一時的な効果しかないというのは理解しておいたほうがいいでしょう。
派遣型ビジネスの本質はエンジニアから搾取することなので評価制度や年収アップの不透明さというのは基本的にはかわらないはずです。
将来的なことを考えると派遣型の会社で長期的に働くことはリスクしかないというのは認識しておくべきでしょう。

ピンハネ会社の社会的意義について

とはいえ著者はピンハネ会社を一概に否定するつもりはありません。
中には未経験からエンジニアになれるよう教育してくれる企業もありますし多くの雇用を生み出しているという点は大きな社会的意義をもつといえるのではないでしょうか。
また、あまり優秀でないエンジニアにとって派遣型ビジネスは大きな意味を持ちます。
彼らのようにプログラミング能力やビジネスマンとしての能力が低いエンジニアにとって、いかなる時も企業が雇用してくれ何らかの仕事にありつけるというのは大きなメリットです。

著者が問題視しているのは

  • 優秀なエンジニアが正当に評価されず安い賃金で働かされること
  • キャリアアップできないこと
  • 市場価値を上げることが難しいこと

などです。
ただし派遣型のピンハネビジネスがなくなることは絶対にありません。
大切なのはピンハネ会社に騙されず自分の道をしっかりと切り開くための行動力をもつことなのではないでしょうか。

まとめ

客先常駐SEのピンハネについてまとめてみました。
客先常駐SEのピンハネ率や業界事情について具体的な内容まで踏み込んでご説明したので参考にしていただけるのではないでしょうか?
本文でも説明させていただきましたが派遣型のエンジニアで働くのはデメリットが大きすぎるためなるべく若いうちに転職して脱出することをおススメします。
それは年収や将来性以外にも

  • 若いほうが市場価値が高いため転職が容易である
  • 客先常駐SEは低年収が多いため、転職で年収アップする可能性が高い
  • 30代後半や40代になると転職先が限定される選択肢が少なくなってくる

という理由がありざっくばらんに言うと若いうちならば何とかなるという現実があるからです。
いかにここに気がつき若いうちに転職活動するかというのがエンジニアの一生を左右します。

転職サイトは使うな!失敗しないためには転職エージェントを利用すべし

退職のターゲット日が確定したら早速転職活動をしましょう。
転職の手法としては、転職サイト登録と転職エージェントを使う2パターンあるのですのが、転職サイト利用はおススメしません
理由はいくつかあります。
転職サイトの場合登録してポチポチして活動が楽に見える反面、

  • 実は面接にいったら客先に派遣される会社だった
  • 入社後に初めて知らされるような情報があるケースがある
  • 大量採用企業や隠れブラック企業が潜んでいて判別ができない
  • 会社の雰囲気や開発手法など分からない点が多すぎる

などの大きなリスクがあります。
その点、転職エージェントは

  • 企業の社風や環境などリアルな情報を事前に入手できる
  • 年収アップの交渉を任せることができる
  • 面接対策や企業ごとの対策ができ効率がいい
  • 自分の希望にあった企業の紹介を受けることができるので楽

というメリットがあります。
入社後の「こんなはずじゃなかった!」とミスマッチを防ぐ意味でも転職エージェントを使うのはマストといえるでしょう。

私

善は急げ!著者おススメの転職エージェントもご紹介しておきますので、まずは登録して転職活動をスタートさせてみてください。

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