人間関係をまったく気にしなくていい職場にいる方は、殆どいないと言っても過言ではありません。
客先常駐をしているSE、PGであればまだしも、自社内で作業をしているSE、PGの場合、直属の上司、先輩・後輩、同僚などと濃い人間関係の中に置かれることになりますから、本来の仕事とは関係のない気苦労をすることも多くあります。
私の経験を挙げると、就職した時の最初の上司が超絶クソ上司でした。
時はITバブルが弾けた直後。アホでもバカでもそれなりのポジションにつけたITバブル時代の残りカスみたいな上司で、試用期間中は残業がつかないにも関わらず残業させられ、全てにおいて命令調で、双方向のコミュニケーションが全く取れませんでした。更に、ボクシングの恰好でじゃれてくるなど、クソウザかったです。それで仕事ができればいいのですが、設計書は間違いだらけ、作業も間違いが多くとても使えません。決定的なのは、俺は別にお前を取りたくなかったと言われたことです。結局、血尿にまでなりました。
と、このような極端なケースではなくても、職場の人間関係に問題を抱える方は非常に多いようです。実際、転職理由で現職の人間関係がうまくいかないことを上げる方は非常に多くみられます。
だからと言って転職すればそれで全てが解決するのかというと、答えは必ずしもYESではありません。
人間関係においてストレスを溜めてしまう人には一定の特徴があると言われています。
それに対処する方法をご自身で知っておかなければ、職場を変えたとしても同じ悩みを抱えることになる可能性は大いにあります。
周りを変えようとすると大変ですが、自分自身をコントロールするのは比較的容易です。
また、現職での人間関係の問題を転職理由に挙げた時点で、対人面で難ありとみなされ転職活動が難航してしまう恐れもあるのです。
ではどのように対処すればよいのでしょうか。
この記事では、仕事で人間関係の悩みを持つ方の特徴とそれに対する対処法をご紹介していきます。
なお、私の場合、非常に苦痛な社会人の船出でしたが、クソ上司のもとで3年、会社には10年近くいました。苦しいことも多かったのですが、考え方を変えて仕事に没頭することでやり過ごすことができるようになりました。そういった経験も踏まえた対処方法を書いていきたいと思います。
ブラック企業は直ぐにやめてください
この記事はあくまでも、会社は普通だけど上司がクソだとか同僚がアホだとかのケースに限っています。
あなたが組織的に虐待管理=パワハラが日常化しているブラック企業にいるのであれば話は別です。何故ならば、我慢すればするほど精神は病み、今後の人生に大きな影響を及ぼしかねないからです。
いきなり殴られた、常に罵倒される、上司がみんなパワハラ上司、のようなブラック企業の傾向があったら直ぐに有休を取って転職活動を始めて下さい。このような会社は、ビジネスモデルとして虐待管理を取り入れていますから、労基署に少し注意された程度ではビクともしません。逃げるが吉です。
このようなブラック企業は不動産営業など体育会系の会社に多く見られ、SEやPGの世界ではどちらかというとサービス残業や長時間労働を強いるブラック企業が目立ちますが、念のため書いておきました。
体育会系のSE会社もあるっちゃあるからね。
職場の人間関係にストレスを溜めやすい人の特徴
あなたは下の項目に当てはまるところはありますか?
- やや神経質、些細なことも気になる
- 職場で相談できる人がいない
- 人の話を聞くのが苦手
- 気持ちの切り替えがうまくいかない
- 問題を解決するために相手の変化を望んでいる
もし当てはまるものがあれば、自分は人間関係でストレスを溜めやすいと考えてください。
なんとなくネガティブに感じられるかもしれませんが、これらの特徴は自分の意識次第で多少なりとも変えられます。
つまり、自分で対処して状況を改善することができるかもしれないということです。
具体的な対処法とは?
それでは具体的な対処法をご紹介していきましょう。
思っていることを口にする勇気を持つ
神経質と言われるとあまりいい気はしないと思いますが、なんであんなこと言うんだろう?なんであんなことするんだろう?と人の言動や行動に対し、ちょっとしたことでも気になってしまう方は特に人間関係のストレスを溜めやすい人です。
そしてその最大の特徴は、その思いを口にしないことです。
何でもかんでも自分の思ったことをそのまま口にするということではありません。おそらくそれはあなたが嫌だと思っている行動でしょう。
しかし一方で、自分の思ったことを口にしている人は、人間関係のストレスを溜めにくい人でもあります。
人間関係のストレスを溜める人は、特に自分の思いを頑なに口にしないという傾向があります。思っていることを口にせず悶々と考え続ければ、自分の中でストレスが増え続けます。
そのストレスを吐き出すためには、自分の思いを口にする勇気が必要です。
こんなこと言ったら嫌われるかもしれない、もっと人間関係がうまくいかなくなるかもしれないと不安になるかもしれませんが、万人から好かれる人はこの世に存在しません。
ほんの少しの嫌われる勇気を持って、少しでも自分の思いを口にするようにしてみましょう。
周りから見ても、自分の思いを外に出さず殻にこもっている人よりも、少しでも本音をのぞかせる人だとわかった方が関わりやすくなります。
自分に正直になることで人間関係が円滑になることも十分に考えられますので、ぜひ本音を口にする機会を作ってみましょう。
簡単に言うと、理不尽な上司や先輩社員に対しては、反論してみる、キレてみる、ということです。向こうはあなたが大人しいからエスカレートしているのです。キレて殴ってはいけませんが、口で大声を出して反抗したところで、解雇事由には当たりません。
ちなみに、上記のクソ上司は、私の後輩がその人の部下となった時も、同じようなことをしでかしました。しかし、その後輩が割と思ったことを口に出す性格だったため、対立が激化し、結局は更に上の部長からマネジメント能力不足であると目を付けられることになり、最終的にその上司は実質解雇に近い形で退職していきました。
相手を良い気分にさせる
上記と矛盾するようですが、思ったことを口に出すというのは、その場では気持ちがいい反面、人間関係を崩壊させるリスクを当然に孕みますので、最終手段としたいものです。
特に、今後のキャリアを考えた場合、上司に対しては牙を見せないというのが現実的な立ち回りと言えるでしょう。腹の中は煮えくり返っていても、顔では笑うようにするのです。
これは、ゴマをすれと言っているではありません。
相手の意見を一度は飲み込み、さも説得されたかのように振る舞うということです。
一度あなたの行動を振り返ってみて下さい。
相手が怒っている時、あなたはどのように振る舞っていますか?
直ぐに嫌な顔を出したり、無表情・無反応になっていませんか?
あなたが話を聞いて無さそうな振る舞いをすると、相手の怒りに油を注いでしまうことになりかねません。まずは、相手の話に耳を傾ける癖をつけましょう。
これは、クレーム対応のスキルと同じです。相手は話を聞いてもらいたいからこそ怒るのです。反論せず、話を聞いてあげるとそのうち大抵の怒りは収まり、むしろ気分が良くなってきます。
あなたは、そんな姿を見ながら心の中でバカにしていればいいのです。このスキルを意識的/無意識的に発動させることができるようになれば、相手の怒りをやり過ごすことができますし、大抵の嵐は切り抜けられます。
社内に信頼できる人を見つける
上で書いた本音を話す勇気にも通じますが、人間関係でストレスを溜める人は、社内で本音を言い合える人がいないケースが多いのです。
仕事での出来事を家族や友人に話しても、共感はしてくれたとしても当事者として理解まではなかなかしてもらえません。
例えば、あなたの上司がとても癖の強い人だったとしましょう。
その癖の強さに同じように疲弊している同僚や先輩にその件を相談するのと、その上司を見たことがない家族や友人に相談するのでは、どちらがより深く理解してくれそうでしょうか。
間違いなく前者が一番共感し、理解してくれるでしょう。
もちろん相談する相手は選ぶべきです。悪意を持って告げ口をする人がいる可能性もゼロではありません。
ランチや飲み会の誘いを断らずに飛び込んでみたり、自分からお誘いをする勇気を出してみましょう。
本音を少し話してみたら、急に距離が縮まって意気投合するということもあります。
社内に気持ちを理解してくれる人が一人でもいることはとても心強いものです。
意外に先輩は味方になってくれないものです。むしろ、お前が悪いんだ、我慢しろと言うものです。だって、面倒くさいからね。逆に、親身になってくれる先輩は最も大きな味方だと言えるでしょう。
相手に変化を望まない
この人が考え方を改めてくれたら色々うまくいくのに…と思っていても、人を変えることは容易ではありません。
はっきり言って、おかしな人の行動は一生変わりません。何故ならばそれは脳の問題だからです。あまり踏み込むと差別になってしまいますので、深くは言及しませんが、SEやPGには人間関係が苦手な人が集まりやすい仕事であり、その中には一定程度生まれながらにして脳の機能が一般的な人とやや異なる人が含まれます。
ですから、理解することもできませんし、理解しようとすることも無駄です。相手の変化を望む前に、自分が変わることから始めてみましょう。
ちなみに、上記で書いた昔の上司への私の対処方法ですが、明らかに生まれながらにして人間関係が上手くいかない人だと分かったので、極力関わる時間を減らすように努めました。自分からは話しかけない、話さないといけない時は最小限にするなどです。
沢山の人と会うとこの人は元々危ない人だということが分かってきます。君子危うきに近寄らず、ということわざの通り、このような人には関わらないようにしましょう。
仕事で認めさせる
PGやSEであれば、早い段階から仕事で成果を出すことは難しくありません。あなたが成果を出せば出すほど周囲が認めてくれるようになります。
私の場合も、先輩よりもコーディングでバグが少ないことで周囲の評価を勝ち得ることができました。仕事ができることを実際の成果で見せつけると、周囲があなたを見る目が変わり、対応も変わってきます。
AさんとBさんが対立し、会社がどちらかを取らなければいけないという場合、会社は成果を出せる方を取ることは自明の理です。上司や先輩も、仕事ができる部下を手元に置いておきたいものです。
この場合の成果とはQCD(品質、コスト、納期)です。
あなたが、バグや不具合を出さず、残業もせず、納期を前倒しにできれば、必ず周りは評価してくれます。
仮にあなたが一年目でもあっても、これは変わりません。コーディング能力がなくても、テストを人よりも精緻にすることは可能です。数年に渡って入社時の爆発的なやる気を見せ続けることは難しいですが、人よりもほんの少し頑張るということをしつこく繰り返していくことで周りを味方にしていきましょう。
正直、コーディング能力や設計能力を短期間で上げるのは難しいです。やはり経験がものを言う世界だからです。私も、帰社後は毎日プログラミング雑誌や技術書を読み漁りましたが、なんとなく認められはじめるのは6ヵ月を過ぎたくらいでした。よりバグを出さないようテストをしっかりする方が効率的と言えば効率的ですね。
上手に気分転換をする
あなたはデスクでそのままお弁当を食べたりしていませんか?
会社の人間関係でストレスを溜めているのであれば、休憩時間は気持ちを切り替えるためにも外に出ることをおすすめします。
私自身も以前は休憩時間でも電話を取るためにデスクでそのまま昼食をとることがありましたが、まったく心が休まらなかったので休憩時間は短時間でも外に出るようにしました。
職場の音や空気から離れることで頭や気持ちがリフレッシュするので、うまく切り替えができるようになった気がします。
少しでもストレスの原因から離れるきっかけを自分で作ってみましょう。
ある研究では椅子に長時間座るとやる気がなくなるという結果が出たそうです。また、Googleでもマインドフルネス瞑想を取り入れているように、自分の意識を職場以外の環境に向けることがとても重要です。
それでも状況が変わらない劣悪な就業環境であれば転職も選択肢の一つ
自分が変わったとしてもやまないパワハラを受けているというような状況であれば、転職をすることも選択肢に入れるべきでしょう。
会社がブラック企業と言われるような体質であった場合、自分が変わったところで会社はなかなか変わらないというのは、上記で述べた通りです。
その時には転職エージェントなどの転職のプロに相談し、サポートを受けながら転職活動をすることをおすすめします。
自分らしく働けることが、一番ストレスを溜めない働き方だと思います。それを実現するためには自分で環境を変えることも必要だと考えましょう。