この記事では、
- 未経験だけどフリーランスとして働きたい
- 実務経験が浅いけどフリーランスも視野に入れている
という方に向けて、フリーランスとして独立した経験のある筆者が
- そもそもフリーランスとして実務経験はどれだけ必要なのか?最低でも実務経験1年が必要というのは本当なのか?
- 経験が浅いエンジニアがフリーランスとして稼ぐのはどうしたらよいのか
というテーマでお話していきたいと思います。
是非参考にして下さいね!
Contents
実務経験1年でもフリーランスになれる
いきなり結論から言えば、実務経験が1年あればフリーランスになることはできます。
その理由を見ていきたいと思います。
人手不足の今がチャンス
IT業界は成長業界である一方で、慢性的な人材不足に悩まされています。
dodaエージェントサービスによる調査では、2020年2月における「IT・通信」業種の転職求人倍率は「6.80倍」となり、全体の「2.52倍」を大きく上回ります。
経験豊富なベテランフリーランスは単価の高い人気案件に集中してしまうため、人員を確保できない企業も多く存在しています。
つまり実務経験1年のフリーランスでも十分にチャンスがあるということです。
残っている案件が条件が良くないものばかりということではありません。経験が浅い中、フリーランスとして新たな経験を積むには好条件の案件も多くあります。
最近では特にWebアプリケーション周りの人材需要が高まっています。
大企業だけでなく、中小、ベンチャー企業がWebアプリケーションを活用した事業展開に力を入れていることがその要因だと思われます。
一般的には、実務経験1年以上であれば大丈夫
基本的に実務経験1年以上であれば、エンジニアとしての最低限の知識や技術を持っていると見ることができます。
逆に、実務経験1年未満はアウトと言えるのですが、その理由を見ていきたいと思います。
最低限の知識や技術とは?
第一に求められるのは最低限の「専門技術」です。
これは、JavaやPHPなどのプログラミング言語の経験・知識やサーバー・ネットワーク構築技術などを指します。
これが”勉強していました!”レベルだと問題があります。あくまでも一人で一定範囲の仕事を任せられるかというところが重要だからです。
従って、実際に現場でコーディング・構築、テストまで一気通貫して経験していることが一つの基準となります。
これには決して高いレベルが求められている訳ではありません。
現在、開発の生産性を高めるためJavaではSpring Framework、RubyではRuby on Nailsなどのフレームワーク上で開発することが主流であり、開発の標準化、工業化が進んでいることから、プログラミング経験の浅いエンジニアでもある程度のプログラムは書けるからです。
また、ベテランのエンジニアも経験したことのない言語を使う現場に投入されることは多々あります。
結局のところ、壁にぶち当たった時にGoogle検索やその他様々な情報収集を行い、自分一人で解決できるという能力がありさえすれば、エンジニアとしては仕事ができるということなのです。
なお、私の実感ですが、プログラミングに関しては調査・学習能力とテスト能力があれば、1年程度で3年~5年戦士と同レベルまで行くことは十分可能です。とはいえ、半年程度の経験では、勉強しましたレベルを抜け出せないため、少々厳しいと言えるでしょう。
第二に求められるのは最低限の「エンジニアとしての基礎知識」です。
意外と見落としがちな点はこれです。
このエンジニアとしての基礎知識は、つまるところ、複数人のエンジニアがチームを組み、一定の成果物を上げるために必要な知識であり、実際に現場に入らないと身に付かないものです。
例えば、標準化ルールに沿ったプログラミングや、スケジュール管理、プログラム構成(バージョン)管理などです。
つまり、雇う側からすると現場に投入した後に手取り足取り教えなくても、スムーズに仕事が始められる状態でいて欲しいということですね。
とはいえ甘くはない現実も
インターネット上では、”実務経験1年でも余裕だった!”という人がいますが、10人中9人が社員に逆戻りをして、そのうち1人の成功談が世に出ている可能性もあります。
つまり、その成功談は結果論に過ぎないということです。
私もフリーランスをしていたことがありますが、基本はプロの世界です。常に結果を出してなんぼですし、以下のような現実がありますので正直甘くはないですね。
2年、3年の実務経験が必要な案件もある
1年以上実務経験がありさえすればどんな案件でもOKか?といわれれば、そんなことはありません。
実際、レバテックフリーランスの「実務経験が浅い方OKの求人・案件一覧」では、
- PHPを用いた開発経験3年以上
- Java及びPHPを用いた開発実務経験、エンジニア歴3年以上
という実務経験1年どころではなく3年を要求する案件もそれなりの数があります。
つまり、実務経験1年でもフリーランスにはなれますが、
- 希望のプロジェクト(特に単価が高いプロジェクト)に入れるかどうかは未知数
ということも十分あることは理解しておいて下さい。
単価が低いケースや、契約が更新されないこともある
上記にようなに、現場が選べないという問題だけでなく、実務経験1年のエンジニアの場合、
- 単価が低く抑えられる
- 仮に入れたとしても契約更新なしで3ヵ月で終了
- 短期の契約切れが続くと「何か問題があるのではないか?」と捉えられて次の現場が決まり辛くなる負の循環に陥る
という問題もよくあります。
実際の相場を見ると、テスターなどロースキル案件では、月単価30万円程度です。単価はスキル見合いですので、スキルが低ければ単価の低い案件しか選択肢はなくなります。
また、なんとか現場に潜り込めたとしても、最短で契約切れということはままあります。
これはスキル不足で教育コストがかかり過ぎると判断されることが原因です。
人手不足感が強い現場というのは、炎上している確率も高いものですから、スキルが低い人を手取り足取り教育する余裕はありません。
使えなければ、切り捨てて次のエンジニアを雇うという判断がされがちなのですね。
30代半ばで実務経験1年は厳しい
エンジニア未経験で30代半ばから勉強と実務を始め、実務経験1年でフリーランスになろうとすると厳しい状況に陥る可能性があります。
一般的に他業界と比べると、IT業界は人手不足の影響もあり未経験者の受け入れ門戸の広い業界です。
未経験者を採用し、自社で育成するという体制をとっている企業は多くあり、30代の未経験者採用も実現しています。
しかしそれがフリーランスに業務委託するとなると話は別です。
自社の社員に育成コストはかけられても、業務委託のフリーランスに育成コストをかける企業はほぼありません。
1人で業務をこなせないレベルであれば、万が一受注できたとしても単価は低くなり、契約に至ったとしても早々に企業側から切られてしまうということもあり得ます。
20代の駆け出しフリーランスに対しては若さゆえの体力、成長スピードの速さに期待をして仕事を任せることはあっても、30代半ばの駆け出しフリーランスが同じ扱いをされるとはあまり考えられません。
よほど飛び抜けた技術力、専門性に特化した技術を持っているなど、大きな訴求ポイントがなければやや厳しいと考えた方が良いでしょう。
コミュ障の人は厳しい
例えば、組織の人間関係が嫌で転職したい、その選択肢の一つとしてフリーランスを選ぼうとしている場合は要注意です。
フリーランスになると、請け負った仕事を進めるのは自分自身にはなりますが、人とのコミュニケーションの難易度は会社員の時よりも上がると考えてください。
クライアントとのやり取り、打ち合わせ、交渉事などもすべて自分で対応しなければならなくなります。
また、フリーランスと言えどもプロジェクト単位での仕事となるため、プロジェクトメンバーとの関わりも発生します。
よって、対人コミュニケーション自体に不安がある方には、そもそもフリーランスエンジニアという働き方はあまりお勧めできません。
それでは次に、実務経験1年と比較的短い経験値でフリーランスエンジニアとなるメリットとデメリットについてまとめていきます。
実務経験1年でフリーランスになるメリット
①収入が増える可能性が高い
会社員として働く場合は、クライアントから報酬を渡す相手は会社であり、その仕事をした自分自身にすべて反映はされません。
自分自身の業績だけではなく、会社自体の業績、上司の評価など様々な要素の影響を受けるため、どれだけ仕事を頑張ったとしても、それがすぐに給与という形では表れにくいのです。
一方でフリーランスは、(エージェントを介さなければ)クライアントとの直接契約、つまり報酬は自分自身が受け取るという形になります。
もちろんそこから経費の支払いも生じますし、各種税金を自分で納税する必要が生じます。
しかし総合的に見ると、フリーランスの方が収入は多くなります。
様々なIT系エージェントが公開している情報によると、20代のフリーランスエンジニアの平均年収は696万円。なんと一般的な正社員エンジニアの平均年収の1.84倍です。
実務経験5年の20代エンジニアと比較すると、実務経験1年のエンジニアではやや経験・スキル不足という点は否めず、最初のうちは単価の安い案件が多いかもしれませんが、案件を重ねて経験を積み、スキルを磨いていくことを怠らなければ、フリーランスとして稼いでいく道筋を立てることは可能です。
②20代であれば社員に戻れる
フリーランスとして独立したものの、収入も不安定で案件もあまり受注できない、フリーランスになったことを後悔しているという場合でも、実務経験も浅い20代のうちは道を変えやすいです。
フリーランスとしての働き方が自分に向いていないと感じるのであれば、会社員に戻るということも可能です。
IT業界はここしばらく慢性的な人手不足に悩んでいて、若手のポテンシャル採用も引き続き継続しているため、多くの求人がある状態です。
正社員採用であれば、実務経験が1年と短かったとしても、採用に至る可能性は十分にあります。フリーランスとは違い、育成も視野に入れた状態で採用をするケースも多いからです。
つまり、経験が浅くとも若ければ、軌道修正がしやすい状況を用意した上でフリーランスとしてチャレンジすることができるということです。
特に、独身で身軽な人は多少リスキーなチャレンジも可能です。
③駄目なら次のプロジェクトがある
あるプロジェクトで失敗してしまい、契約を切られてしまったといった場合でも、心機一転次のプロジェクトで頑張ることもできます。
これが、社員であれば話は別です。一旦解雇された社員を雇う会社はなかなかありません。
若手フリーランスの場合、契約を切られやすさはありますが、逆にそれが当たり前として、次の仕事に向かうことができるというメリットもあるのです。
実務経験1年でフリーランスになるデメリット
①収入が安定しにくい
一般的にフリーランスのデメリットとして挙げられる収入の不安定さですが、経験の浅いフリーランスはより不安定になる傾向があります。
基本的にフリーランスの世界は、自分を売り込むというよりも、人脈やエージェントによる案件紹介が全てです。
人脈のない実務経験1年のエンジニアは、当然のように新規案件の獲得に苦労しがちです。
また、エージェントに登録している場合でも、上記のように単価が低かったり、短期で契約が切られるというケースもありますので、収入が安定しないことが想定されます。
②クレジットカードの発行や賃貸契約などが上手くいかない場合も
日本では、公務員や会社員の社会的信用が最も高く、個人事業主たるフリーランスの社会的信用は非常に低いと言われます。
ここで言う「社会的信用」とは、金融機関などの審査に影響する信用の事を指します。
日本の金融機関の審査では、勤務先や勤続年数が重要な判断要素とされていることが多いため、前職の勤続年数も1年と短い上にフリーランスとしてまだ安定した業績を上げられていないとなれば、信用力は極めて低いと判断されます。
独身で身軽、家を建てたり車などの大きな買い物の予定もないということであれば大きな影響はないように見えますが、クレジットカードが発行できない、賃貸契約の審査が通らないとなるとかなり厳しい状況に陥ります。
とはいえ、クレジットカード会社によって審査が緩い会社も一定数存在しますので、定期的な収入が数百万円あれば恐れることはありません。
また、賃貸借契約の際も、入居審査では落ちることは滅多にありませんし、賃貸仲介会社の自己管理物件は殆どスルーで入居させてくれることも多いので、心配しなくても大丈夫だと思います。
③確定申告や社会保険の支払いが面倒
フリーランスになると仕事だけではなく、税金や保険の管理もすべて自分でしなければなりません。
厚生年金から国民年金に変更するための加入手続き、健康保険などの各種保険も備える必要があります。更に、引き落としにしなければ毎月コンビニ等で支払うことが必要になります。
また、フリーランスになって最初の年度末の確定申告はパニックになる方も少なくありません。
実際私も最初の確定申告はパニックになり、国税庁の窓口に電話をかけてしまいました。
しかし、回数を重ね、慣れてくれば勝手もわかるようになります。今は、確定申告対応だけの格安税理士事務所もありますから、収入も安定すれば税理士に委託することも可能です。
しかしその段階に至るまでは仕事と両立しながらこれらの事務作業も自分で行う必要があるのです。
④年金額がサラリーマンより少なくなる
上記のように厚生年金から国民年金への異動が必要なため、若いうちにフリーランスとして独立した場合、厚生年金の積立額が少ないことや、そもそも無いという状況になります。
結果的に将来貰える年金の額は大幅に少なくなります。
2020年現在、国民年金の支給額は年間78万1千700円です。厚生年金は2階建て、つまりこの倍になると考えて結構です。
さて、このように書くと暗澹たる気持ちになってしまうかもしれませんが、実はそうではありません。
そもそも現在の20代~30代が将来貰える年金の額は、現在の受給者が貰っている金額の半額以下になるという予測があるなど、残念ながら既に年金には頼れない状態となっています。
国民年金しかないフリーランスにとって状況はより厳しいものになりますが、さりとてサラリーマンとして厚生年金を貰うメリットも半減してしまうとも言えるのです。
従って、国民年金基金、個人型確定拠出年金(iDeCo)などが利用して、年金を確保していくことが今後重要になってきます。将来に不安を感じるのであれば加入しておくのが良いでしょう。
⑤退職金が貰えない
退職金は会社が規定に従って従業員の退職時に支払うものですので、個人事業主であるフリーランスは当然貰えません。
しかし、そもそも収入額が大きくなれば、当然にサラリーマンの生涯年収+退職金よりも稼げている可能性はあります。
また、実は個人事業主でも退職金が貰える制度があります。
中小企業基盤整備機構の小規模企業共済です。これは、毎月掛金を支払うと事業を辞めた際に退職金として+αの金額が貰えるという制度で、個人事業主でも加入できます。
更に、全額を課税対象所得から控除できるという非常に大きなメリットがあります。言い換えれば、税金を将来の退職金に回せるということですね。
⑥不況時に切られやすい
リーマンショック・ショックなどの不況の際は、真っ先に派遣社員などの非正規社員やフリーランスが切られることになります。
特に実務経験1年ではスキル面でベテラン勢よりも劣る部分が多く、万が一人員削減となれば、優先的に切られてしまう可能性もあります。
とはいえ、プロジェクトで必要不可欠であれば生き残ることができる可能性もありますし、若手であればサラリーマンに戻ることもできるのは上記した通りです。
⑦肩書が得られない
フリーランスは基本的に一人親方ですから、サラリーマンとして会社にいることで得られる肩書は得られません。
一方で、フリーランスとして実績やネットワークを構築した後に会社を起こすことも十分可能ですから(これを法人成りといいます)、一気に社長と言う肩書を手に入れることもできます。ここら辺は実力次第と言うことになりますね。
実務経験一年のフリーランスは稼げるのか?
では、実務経験一年でフリーランスになって果たして本当に稼げるのでしょうか。
実際に、実務経験1年でどのくらいの月収が得られるのかを調査してみましたので、ご覧ください。
Java(Web系)の実務経験1年~2年 | 54万円/月 |
PHPの実務経験1年~2年 | 57万円/月 |
JavaScriptの実務経験1年~2年 | 55万円/月 |
Rubyの実務経験1年~2年 | 60万円/月 |
出典:レバテックフリーランス
必要とされるプログラミング言語によって金額の差はありますが、概ね50~60万円程度の月収が見込めます。
ちなみに、実務経験年数が1年増えれば+10万円くらいの差が出てきます。
もちろんここから会社員時代は天引きされていた保険料や経費、税金を差し引く必要がありますが、それでも手元にはお金はそれなりに残るでしょう。
経験年数が多いに超したことはないですが、この金額を見る限り実務経験1年であったとしても十分に稼げる可能性があることがわかります。
とはいえ、だからと言って無暗にフリーランスを目指すのが良い訳ではありません。以下では、実務経験1年で稼げるフリーランスになるための考え方を見ていきたいと思います。
実務経験1年で稼げるフリーランスになるためには
①Web系のポートフォリオを作る
上記したようにWeb系エンジニアのニーズが高まっています。
株式会社リクルートキャリアの2018年12月調査によると、インターネット専⾨職(Webエンジニア含む)の転職求人倍率は3.92倍、SEは3.13倍ということで、Web系エンジニアのニーズは非常に高いと言えます。
Web系アプリケーションを開発するプログラミング言語は、Java、PHP、Ruby、HTML、CSS、Javascriptに加えて、SQL(MySQL等)と言ったところですが、特に需要が多いのがJavaとPHPです。
この2つはニーズが多い一方でエンジニアの数が多く、単価は低くなる傾向はありますが、駆け出しのフリーランスが案件を受注するというハードルを越えるためには身に付けておくべきポートフォリオといえます。
個人的には特にJavaをおススメしています。Javaに関しては基幹系でも多く採用されていますので、つぶしが非常に効きやすいからです。
また、Javaは厳格な記述が必要な言語ですから、適当な書き方をして動いてしまうPHPを最初に学習するよりも、プログラミングそのものについての理解は深まりやすく、他言語に応用しやすいところもメリットですね。
なお、PythonやRubyは使いこなせるエンジニアが少なく、案件の単価が高めの傾向にありますが、市場に出ている案件自体が少ないという傾向も同時にあります。
単価高めの案件をこなし、確実に収入を上げるという方法もありますが、実務経験1年の駆け出しフリーランスとしてはまずは数をこなせるポートフォリオを組んで安定した収益を出すことを優先することをおすすめします。
②エンジニアとしての基礎技術を早いうちに身に着ける
プログラミングよりも重要なのが、いわゆるエンジニアとしての基礎技術なのは上記した通りです。
例えば、以下のようなツールは自分のPCでもダウンロードして構築することができますので、是非学習しておくことをお勧めします。
ツール | |
統合開発環境(IDE) | Eclipse、PhpStorm |
スケジュール管理 | Redmine |
構成管理(バージョン管理)システム | Git、Subversion |
これらの知識があれば現場に入った時にもスムーズに仕事に取り掛かることが可能です。
③無理にリモート案件を狙わず、常駐で経験を積む
フリーランスとして働く最大のメリットは、複数のリモート案件を受注して自宅で作業ができる点であると言っても過言ではありません。
しかし、小規模のシステムを丸ごと受注した場合、契約形式としては「請負契約」といって、完成物に責任を負う必要が出てきます。
この場合、納品した後にバグ対応などで工数がかかりますし、最悪の場合は損害賠償責任も負いますので、実務経験が少ないエンジニアには荷が重すぎます。そもそも、発注側も実務経験1年の人には発注しないでしょう。
一方で、プロジェクトへの常駐は「準委任契約(SES契約)」といって、1時間○○円、1ヵ月○○円といった契約形態になり、基本的には完成物に責任を負う必要はありません。
とはいえ、全く責任が無い訳ではなく善管注意義務と言って、社会通念上当たり前の責任は負いますが、実務経験が少ないエンジニアにとってのリスクは比較的少なくなります。
また、常駐はプロジェクトで採用しているプロダクトやアーキテクチャー、開発手法を吸収できることも非常にメリットです。
従って、最初のうちは常駐型の働き方をした上で、ある程度の経験を積んだ段階でクラウドソーシングで小規模な案件を受注するなど徐々に複業に移行するのをおススメしています。
④経験に不安がある場合、派遣やプログラミングスクールを選択肢に入れる
一口に実務経験といっても、テストばっかりやらされてきたなど、内容には濃淡がつきものです。
プログラミングを勉強しなおしたい、経験を積みたいという場合は、派遣やプログラミング・スクールでの学習も選択肢に入れて下さい。
経験が浅い人材でも派遣登録ができ、オンライン学習も整備されている【IT派遣テクノウェイブ】 は非常におススメです。ここで実務経験を積んで改めてフリーランスを目指すのというのはかなり手堅いやり方と言えるでしょう。
プログラミング・スクールは費用がかなり高いのが難点ですが、フリーランスの就業支援サービス付のスクールで実際にフリーランスになることができれば投資分は回収できるでしょう。
その中でもBranding Engineer社が運営をしているTech Boost は、同社のフリーランス支援サービスであるMidworksとシームレスに連携していますので、非常におススメです。
⑤脱コミュ障を目指す
フリーランスとなると、会社員の時よりもコミュニケーション・スキルが必要になってきます。
クライアントの打ち合わせから交渉事まで、すべて自分自身でこなさなければなりません。
仕事をくれるからとクライアントの言いなりになってしまうと損をするのは自分です。
良い仕事をしていれば、いずれ単価アップの交渉をする場面も出てくるでしょう。
その時に相手の状況も鑑みながら、自分の要求を適切な形で伝えるコミュニケーション力を、場数を踏んで身に付けていくことをおすすめします。
まず最初にポイントとなるのは、
- 聞き上手になること(肯定から入り、相手の意見を受け止めた上で話す)
- 事実をベースに話すようにすること
です。これだけでもかなり変わってきますので、心掛けて下さいね。
⑥一旦知名度の高い会社に転職してみる
有名な会社に転職して経験を積むと同時に箔をつけるということも選択肢の一つです。
有名な会社の肩書は後々、様々な場面で有利に働きます。いわゆるハロー効果というものですが、実務経験や能力が同じであれば、有名な会社に在籍していた経験のあるエンジニアの方が高く評価されがちです。
20代の場合、1~2年程度の回り道は回り道のうちに入りません。
むしろ転職の方が、長期的に見て有利になる可能性すらありますので、よくよく考えてみて下さいね。
⑦案件はあるのか相場はどうかチェックする
案件が「本当にあるのか」ということをチェックしましょう。
ネット上では色々と案件を見かけることもありますが、正直あれは目安の金額にすぎません。
フリーランスエンジニアの場合、
- 経験年数
- スキル
- 案件とのマッチ度
- 面談時の印象
など結構細かい部分で最終的な単価が確定します。
ですので、実際に参画できそうな案件の単価を知りたければネットを調べるだけでなく、フリーランスエージェントに聞くのが一番効率がいいです。
百聞は一見に如かず、ですね。
また、単価だけでなく案件数についても同様です。
「具体的にどういった案件がありますか?」「●●月から現場に入りたいのですが案件数的にはどうでしょうか?」
などとエージェントに聞いてみましょう。
彼らは毎日膨大な数の案件を扱ってますので、リアルな意見を聞けるのは間違いありません。
⑧エージェントと上手く付き合う
上段でも説明したように、常駐型の場合フリーランスエージェントが莫大な数の案件を保有しています。
「自分の人脈だけ」で仕事をするのではどうしても先行きが不安定になりがち。
フリーランスエージェントであれば、個人では口座が開けない大手企業や優良企業、ベンチャー企業に常駐できます。
高単価を獲得しようと思ったらフリーランスエージェントに依頼するのが最も効率がいいのは間違いありません。
フリーランスエージェントと仲良くなると様々なメリットがあります。
- 有力顧客を優先的に紹介してくれる
- 高単価の案件を紹介しれくれる
- 自社の受託案件や色々いい話をくれる(営業による)
などなど。
もちろんこういった関係はすぐに構築するのは難しいかもしれませんが、現場に入り実績を積み重ねることでこのように「いい話」をくれたりもします。
20代のフリーエンジニアに色々聞いてみた【体験談】
20代フリーランスエンジニアの森田さんのプロフィール
年齢:20代
性別:男性
経験:3年ほど
経歴:1年ほどの会社員経験を経てフリーランスエンジニアへ。
なんだか稼いでいるという噂(羨ましい・・・)
こんにちは。
ち~す。
(・・・何か軽いな)
20代でフリーランスになったってことで色々話を聞かせてほしいんですが。
あ、はいはい。
開発経験は1年くらいだよね?不安はなかった?
全然ないです。失敗したらまた会社員に戻ればいいかな~という感じでやってましたから。
・・・確かに20代だったら余裕で正社員に戻れるよね。
ちなみにどんな感じで仕事は探したの?
クラウドソーシングで仕事を探して自宅でガリガリ。
へ~おススメのサイトとかある?
僕が使ってたのはクラウドソーシング系サイトとかですね。
結構仕事をもらって何とか月100万円くらいこえました。
まじか!すごいな。
で、保守の仕事とかももらい安定してきたので、自分のスキルを上げるために常駐しよっかなっと。
ほうほう。常駐ではどんなサイトを使ったの?
しかし常駐しながら保守の仕事もして・・体力大丈夫なの?
全然平気ですよ~若いし(笑)
むう・・・でどれくらい稼いでいるの?
ま、ご想像におかませします
(いいな~)今度おごってね♪
(プライドないなこの人・・・)考えておきます
まとめ
実務一年の若手がフリーランスエンジニアとして稼ぐコツについてお話してみました。
実務経験の浅い若手フリーランスは是非参考にしてみてください。
本文でも述べましたが若手フリーランスエンジニアが成功するためにはエージェントへの登録が必須です。
著者のおススメの企業を紹介しておきますので是非登録して活動をスタートしてみてください。
あなたのエンジニアライフが豊かになるようにお祈りしております。
業界の老舗なので安心!業務系や汎用系強し!全国に支店があるPe-BANK
【登録はこちら】【Pe-BANK】業務系エンジニア御用達のエージェントです。全国的に案件を保有していますので、地方での就業も可!
業界の老舗でエンジニアからの信頼感抜群のエージェント。ここ一筋うん十年というエンジニアも多いです。業務系組み込み系汎用系のエンジニアは登録必須です。50代でOKの案件も保有しています。