フリーランスエンジニアとして活動するにあたって、フリーランスエージェントに複数登録したいけど大丈夫?と思っている方は多いと思います。
そこで、この記事ではフリーランスエンジニアとして長年活動してきた筆者が、フリーランスエージェントの営業さんに実際に行ったインタビューをご紹介したいと思います。
Contents
複数登録にはメリット多し
まずはフリーランスエージェントに複数登録するメリットについてご紹介します。
フリーランスとして実際に活動している方は既にご存じのことが多いと思うので飛ばしてもらって結構です。
結論から言うとポイントは3点です。
- 選択可能な案件数が増える
- 次の案件稼働までのブランク発生リスクを減らすことが出来る
- 条件や報酬の交渉がしやすくなる
選択可能な案件数が増える
複数のエージェントに登録するため、各エージェントを合算すると取扱い案件数も増加します。
ただし、大手の案件などはどのエージェントでも取り扱っている可能性が高く、重複している案件も多くあります。
一方で、多くは非公開になっている独占で取り扱っている案件も各エージェントに存在するため、複数登録することでそれらの案件を紹介してもらえる可能性は上がるのです。
エージェントは登録しているフリーランスエンジニアが稼働することで発生する手数料(中間マージン)が収入源です。
つまり、エージェントが稼働することが必要なため、案件を無駄に出し惜しみすることはありません。
よって、複数登録することは、フリーランスにとって案件紹介の機会を増やすことになるのです。
次の案件稼働までのブランク発生リスクを減らすことが出来る
フリーランスにとっての大きなリスクの一つは、次の案件参画までのブランクが発生することです。
フリーランスは基本的に業務委託、業務委任でクライアントと契約を交わしますが、多くは3か月更新です。
もちろんそれ以外の契約期間も存在しますが、いずれも雇用を保証する内容ではありません。
1つのエージェントとやり取りをしている方が案件が途切れないのでは?という考え方も可能です。
しかし、万が一担当者が移動や退職ということになり、引継ぎがスムーズに行われなかったりすると、その間にスムーズな案件移行が出来ずにブランクが空くということになりかねません。
そういったリスクに備える意味でも、エージェントの複数登録はメリットと言えます。
条件や報酬の交渉がしやすくなる
これは複数登録の大きなメリットと言えます。
エージェントの手数料(中間マージン)は、相場はあれども各社設定は異なります。
例えば、受注額100万円の案件に対して、手数料10%のエージェントAと、手数料20%のエージェントBでは、フリーランスの手取りに10万円の差が発生します。
全く同じ案件にもかかわらず、収入が10万円も変わるとなれば交渉の余地は十分にあります。
もしエージェントに複数登録していなければ、案件の相場もわかりにくいため、条件や報酬の交渉は困難です。非公開案件ともなればなおさらです。
案件の相場を認識し、交渉の主導権を握るためにも、エージェントの複数登録はしておくべきと言えます。
複数登録と並行営業の考え方についてエージェントの営業さんに聞いてみた
では複数登録するデメリットについて少し考えてみましょう。
SES業界の営業では複数登録は「並行営業が厚い」と言われたりします。
ちなみに並行営業というのは業界の専門用語です。
その名の通り並行が厚いというのは多数のエージェントに登録していることです。
もちろん並行がダメなどという明確なルールはありませんが、フリーランスエージェントの営業さんはどういう認識なのでしょうか?
別のページでも登場してもらったSES営業の田中さんに色々ときいてみました。
こんにちは。お忙しいところありがとう。
また登場してもらってありがとう。
本当ですよ。終わったら焼肉おごってください。
え・・・今日は夜ミーティングが・・・
チェッ。まあいいですよ。で並行ですよね?
(・・・危ない危ない。また、たかられるところだった。)そうそう。
並行はしてもOK?それともやっぱり嫌なもの?
本音は自分だけに任せてほしいですよ。ちゃんと決められますし(普通のスキルをもっていれば)。
でもエンジニアの方の気持ちもわかります。
だよね。私も生活があるし、やっぱり空くのは嫌だから早めに次の現場を決めておきたいタイプ。
ただ私の場合、お付き合いの長いかたは信頼してもらってますので、基本弊社だけに任せていただいてます(ドヤッ)
それで期間内に決まればベストだよね。並行何社くらいまでならOK?
2~3社くらいにしておいてほしいですね。
それはなんで?
それ以上になるとスケジュール調整が大変になるし、いきなり他社で決まるケースも増えてくる。
やっぱりクライアントや関係者に迷惑をかけるのを避けたいため、どうしても営業が消極的になりますよね。
なるほどね。営業の立場もあるわけだ。
それとこの業界の営業は非常に忙しいんです。特に私のような売れっ子営業マンになると。
(・・・自分でいうか?普通)ま~それはわかるよ。
他にも何人もエンジニアをかかえていますし、お付き合いある方から優先的に決めたいですよね。
ふむふむ。
そうなると他社に複数登録しているかたの優先順位が下がってしまう面はありますね。
お~、それは現役ならではの意見だね。ありがとう。
このように、エージェント側としてはあまりに並行が厚く他社で動いていると、案件紹介がやりにくいという面もあるようです。
上述したように優先度が下がってしまうというケースもありようですので、そのあたりは配慮したほうがよさそうです。
並行がある場合の営業への伝え方
並行の状況を伝えずにどんどん他社で面談を入れるとトラブルのもとになります。
ではどのように営業に伝えたらいいのでしょうか?
またまたSES営業の田中さんに登場してもらうことにしましょう。
度々すみません。
はいはい。
並行が入っている場合は営業さんにどう伝えたらいいですか?
現在の結果待ち●●件、面談設定●●件(何日の何時から設定済かもあわせて)あとは面談対応スケジュールなども伝えてほしいですね。
なるほど。なんでこれを伝えないといけないの?
営業と顧客(案件元)との関係ですね。
ほう。もう少し具体的に教えて。
重要なお客様の場合、並行が厚い場合提案を控えておこうとか、結果待ちがある場合、それが分かり次第提案しようとかいろいろ配慮するんですよね。
あとは前回ミスってしまったお客様なので今回はミスれないぞ、とかね。
へ~。
営業は結構気をつかうんですよ。
(見かけによらねえ・・・)
信頼を失うと取引ができなくなってしまったり、面談がなかなか入らなかったり営業もリスクを負っていますからね。
なので並行はちゃんと伝えてほしい訳です。
き・・・気をつけます
はい。焼肉おごってください
検討しておきます。
フリーランスエンジニア向けの案件は営業とクライアントとの信頼性で成り立っています。
ですのでそういった関係を壊すような行為はしないように配慮しなくてはなりません。
そのためにきっちりと並行状況を伝えることは大変重要になってきます。
何の断りもなく当日にキャンセルしたり、並行で面談が入っていることを知らないと営業も困ってしまいますし、クライアントとの今後の関係に悪影響が出るケースも少なくありません。
フリーランスエンジニアの業界は狭いので、エンジニアとしては迷惑をかけないように気をつけ、縁が切れてしまうような立ち振る舞いは避けるようにしなくてはいけません。
フリーランスエージェントに複数登録するデメリットまとめ
以上、営業さんにインタビューする形でお届けしてきましたが、デメリットを簡潔にまとめてみたいと思います。
エージェント毎の面談調整がやや面倒
フリーランスエージェントに登録すると、想像以上に多くの案件の紹介があります。
1つのエージェントに登録している状態では、自分の調整可能な面談候補日程をエージェントに伝え、各企業と面談を組んでもらうことになります。
しかし複数エージェントとなると、調整可能な面談候補日程を、他エージェントと重複しないように調整しながら伝えなければなりません。
面談がかぶってキャンセルすると信用を失うことも
万が一面談日かぶってしまい、キャンセルしてしまうようなことがあった場合、営業さんの心証を悪くしてしまうことは確実です。
目先の仕事を獲得しようとするあまり、エージェントとの信頼関係を損なってしまうよりも、良好な関係性の元で長く付き合うほうがメリットがあります。
実際に【Pe-BANK】では、長期的な関係になればなるほどエージェント手数料が下がる仕組みを取り入れていますので、長く付き合うメリットがあります。
案件紹介の優先順位が下がってしまうリスクがある
複数登録をしていて、自社で稼働する見込みがなさそうと判断された場合、案件紹介が減少するリスクがあります。
エージェントの営業さんも成果報酬で動いているケースは多くあります。見込みが薄い人よりも、確実に決まりそうな人に案件を紹介していくのは自然なことと言えるでしょう。
とはいっても、並行していることを隠すのはNGです。複数登録していることについては、あらかじめ伝えておくことをおすすめします。
万が一それを伝えずに他社で案件決定した場合、嘘が露呈してしまい、そのエージェントとの信頼関係はなくなってしまいます。
また別の機会にそのエージェントに案件紹介を依頼したとしても、信用ゼロからのスタートとなるリスクがあることを認識しておきましょう。
並行は自分のスキルと案件状況次第で臨機応変に
エージェントへの複数登録と並行について簡単にまとめてみました。
要は「複数登録はOK」ただし「並行を厚くしすぎてエージェントに迷惑をかけないこと」がポイントです。
フリーランスになるエンジニアの中には、非常に高いスキルを持ち、面談になれば高い確率で合格する人もいます。
そういった人の場合はあまり並行を厚くするメリットはありません。
逆にスキルが低かったり面談が弱い、案件の数が少ない場合は積極的に並行営業をかけて進む案件でどんどん面談を入れていく、というのが最も有効な戦略です。
いずれにせよエージェントに迷惑をかけないよう配慮し、自分のスキルと相談して柔軟に進めていく、というのが重要になってきます。
以下で、定評のあるエージェントを紹介しますので、参考になれば幸いです。
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