客先常駐SEが正当に評価されない理由とは?

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このページでは客先常駐SEの評価についてお話していこうと思います。

  • 客先常駐SEだけど全く評価されないと感じている
  • 自社の評価制度に矛盾を感じている
  • 年収が上がらず不満を感じている

こういった方向けの記事です。
このページを最後まで読むことで客先常駐SEが正当に評価されない理由について詳しく理解できますので興味がある方は是非参考にしてみてください。

【結論】客先常駐SEの正当な評価は絶対に無理である

まずは結論から。
客先常駐SEを正当に評価するのはまず無理ですし、できている企業もありません。

ほとんどのSES企業において人事評価をし給与を決定するというフローをとっていますがこれは形式的なもので中身は全く伴っていません。

頑張っても報われない適当な評価制度が客先常駐の大きな課題の一つです。

その理由はかなりたくさんありますのが簡潔に述べると以下5点の理由です。

  • 上長が現場におらず正当な評価ができない
  • 上長に人事評価のスキルがない
  • 売上(単価)や保有資格に評価が偏る
  • 受注単価がブラックボックスにされる
  • 派遣先を選べない

いずれも客先常駐ビジネス特有の理由だということがおわかりだと思いますが、それぞれについて詳しく解説していきます。

そもそもエンジニアは技術職であり、営業職と違って成果評価が非常に難しいものです。そのため、多くの企業が少しでも評価が「透明」「公平」になり、エンジニアの「納得」が得られるよう、評価の仕組みの構築に努力しています。

しかしながら客先常駐ビジネスをしている会社の場合、評価制度が全く機能していない、下手をすると儲かればOKとしか考えず、まともに評価する気もないということが大きな問題なのです。

その理由を見ていきたいと思います。

①上長(考課者)が現場にいない


客先常駐SEを正当に評価できない理由の一つが考課者となる上長が現場にいないからです。

上長もだいたい客先常駐していますからね(苦笑)

エスパーでもない限り一緒に働いていない人の評価をするなど不可能です。
これは説明するまでもないのですがこういったメチャクチャなことがまかり通っているのがIT派遣業界です。
ちなみに一般論としてエンジニアの評価は以下のような項目ごとに目標設定を行い達成度を確認したり評価をします。

  • プロジェクトへの貢献度
  • 設計スキル
  • 開発スキル
  • コミュニケーションスキル
  • 360度評価

このように、技術者ですからある程度成果指標も盛り込むにせよ、基本は能力ベースで評価するのが原則です。

しかし、一緒の現場で働いていても評価が難しいものを違う現場にいる上長が30分やそこらで正確にジャッジするなど不可能にきまっていると思いませんか?

それに拍車をかけているのが、上長の評価スキルが低いケースが多いということです。

 

②考課者のスキルが低い

人事評価には、「透明性」「納得性」「公平性」が求められます。これが一つでも欠けると、人事制度として成立しません。

そして、特に重要なのはこれらを担保する考課者と評価制度です。

大会社では、人事部門が人事評価に関わったり、第一考課者となる直属の上司を「考課者研修」という研修で教育します。

しかし、中小のSES会社ともなると、考課者となる直属の上司もれっきとしたエンジニアで、プレイイングマネージャーの場合が殆どです。そして、考課者研修などまともに受けたことが無い人が殆どです。

そんな考課者にまともな評価ができるでしょうか?

好き嫌い、仲の良い悪いだけで評価がブレまくることが多いです。

③売上(単価)や保有資格で評価されてしまう

結局中小SES会社の考課者が評価しがちなのは、年間売上(年間の単価)や保有資格であることが多いようです。簡単に目で見えますからね。

そもそも、現場が選べないエンジニア(※下記を参照)に受注単価が決められる訳がなく、知ったことではないのです。しかし、エンジニアの経験・スキルで単価のテーブルが作られているため、結局は単価≒経験・スキル≒評価になってしまうのです

この単価が決まる仕組みは、いわゆる「スキル見合い」というやつですね。奴隷売買と同じ仕組みです。

しかし、現場が選べない客先常駐エンジニアは、スキルや経験を積むことが難しいため、結果的に単価が上がりにくくなります。ですからスキル見合いの単価で人事評価してしまうとどうしても低い評価になってしまうのです。納得性もあったものではありませんね。

若手がCOBOLの現場にぶち込まれることを想像してみて下さい。その後のキャリアは一体どうなるのか・・・。

資格の評価についても、努力の結果とみることはできますが、毎日終電帰り・土日も出勤して頑張っている人よりも、ぬるい現場でシコシコと勉強して資格を取った人の方が評価されるといのは、不公平感はありますよね

単価について、もう少し補足していきます。

④受注単価がブラックボックスにされる


客先常駐SEを正当に評価できない理由の一つに、会社によっては受注金額がブラックボックスにされるということがあります。

受注金額というのはクライアントがエンジニア一人月に対して払う対価のことをいいます。

  • 派遣型ビジネスの場合受注金額とエンジニアへの支払いの差額が企業の利益になる
  • エンジニアの給料はクライアントからの支払い金額によって変わってくる

というのがこのビジネスの根幹である以上クライアントからの受注金額を明らかにし給料を払うことがフェアなやり方だと思いますが、そういったことをしない企業もあります。

それが何故か、賢明な皆さんはお分かりでしょうね。

受注金額が分かってしまうと、自分の貰っている給与の差、つまり会社に吸い上げられる金額が分かってしまうからです。

フリーランスになると分かりますが、クライアント企業は意外と多くのお金を払っているものです。それがエンジニアにバレてしまうと、評価せざるをえなくなってしまい、昇進・昇給につながってしまいます。

私のケースだと、受注金額に対して給料は40%くらいでしたね。

⑤派遣先を選べない


客先常駐SEを正当に評価できない理由の5つ目はエンジニア自身が派遣先を選べないことです。

SES企業の場合常駐先は本人の意思よりも企業の意思が優先されるケースがほとんどでその理由は単純に単価のいい案件にぶち込んで儲けたいからなのですが、これはエンジニアにとって大きなリスクです。

あいつは単金100万円で売れた!こいつは単金50万円にしかならなかった!と言う会話がSES会社の営業の間で交わされています。
人をモノとしか思っていないのです。

エンジニアは自身のスキルや能力にマッチして心地よい環境で働くことでパフォーマンスを最大化できます。
ところが客先常駐SEの場合、営業側が単価を追い求めるあまり、

  • 明らかに炎上していたり残業が多い現場で働かされる
  • スキルマッチしてなかったりスキルが身につかない現場に配属される
  • クライアントとのつき合いのために行きたくもない現場に配属される

このようなことが日常茶飯事です。
また、こういった現場でパフォーマンスが落ちた場合でもエンジニアの責任になり人事評価に影響がでます。公平とは口が裂けても言えません。
非常にばかばかしい話ではありますがこれがこの業界の真実です。

結局は自分で仕事を取ってくるしかない?

以上、客先常駐SEが正当に評価されない理由を書いてきましたが、あまり当てはまらないと感じる部分もあったと思います。

それは、客先常駐SEでも客先で評価されることで、契約延長となったり、別の現場に引っ張られることがあるからだと思います。

自分の力で仕事が取れれば、現場は自分で選べないとは言えなくなりますし、契約を自分で行えば、単価を目で見ることができるようになります。

実際、私もこのパターンで、単価の金額は把握していました。

とはいえ、「だから客先常駐は目の前の仕事をとにかく頑張れ!」と言うつもりはまるでありません。

なぜならば、自分でリピートを勝ち取れる、次の現場を紹介してもらえるのであれば、会社にいる必要がないからです。

それは個人事業主ですね。

とはいえ、基本的には会社で安定して仕事をしたい人が大半でしょうし、わざわざ収入0になるリスクを冒して個人事業主になる必要もありません。

しかし、そのまま客先常駐ビジネスをする会社に居続ければ、正当に評価されることは一生あり得ません。理由は上記した通りです。

できれば、皆さんには客先常駐から抜け出して、自社開発の会社などで仕事をしてもらいたいと思います。

客先常駐は努力が報われないというのが一番の問題

派遣型ビジネスの評価制度の一番の問題点は努力の方向性がわからず努力が報われないという点につきます。
結局どのようにしたら給料が上がるのか?という最も大切な点が明らかにされないということです。
この問題は客先常駐SEをしているうちは解決されることはまずありませんし、これが派遣ビジネスの限界とも言えます。
派遣型でなく

  • 自社開発をしている会社
  • アプリを開発している会社
  • サービスを提供している会社

で働いているエンジニアであればプロジェクトの貢献度によって大きな裁量と年収が与えられます。
ところが派遣ビジネスの場合エンジニアは一人月●●万円という単価で売買する商品に過ぎません。

派遣型SEが市場価値を高めたとしても結局適当に評価されて搾取されて終わりというのが悲しい現実なのです。
もちろん自社に愛着があったり特別な事情があれば別ですがエンジニアとしてまっとうな道を歩こうと考えたら派遣型SEは論外ということがご理解いただけるのではないでしょうか。

まとめ

客先常駐SEが正当に評価されない理由についてまとめてみました。
客先常駐SEの評価制度についてかなり具体的な内容まで踏み込んでご説明したので参考にしていただけるのではないでしょうか?
本文でも説明させていただきましたが派遣型のエンジニアで働くのはデメリットが大きすぎるためなるべく若いうちに転職して脱出することをおススメします。
それは年収や将来性以外にも

  • 若いほうが市場価値が高いため転職が容易である
  • 客先常駐SEは低年収が多いため、転職で年収アップする可能性が高い
  • 30代後半や40代になると転職先が限定される選択肢が少なくなってくる

という理由がありざっくばらんに言うと若いうちならば何とかなるという現実があるからです。
いかにここに気がつき若いうちに転職活動するかというのがエンジニアの一生を左右します。

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