Rubyのニーズは高いものの、市場ではRubyを使えるエンジニアが不足しています。
Rubyの平均単価は他と比べてやや高い水準であるため、Rubyのフリーランスエンジニアを目指す人も少なくありません。
では、Ruby未経験でも、フリーランスとして稼いでいくことは可能なのでしょうか。
ここでは、未経験からRubyフリーランスを目指す方法や、押さえておきたいポイントについてご紹介します。
Contents
1.Ruby未経験でもフリーランスにはなれるがRuby案件獲得のハードルは高い
まず結論から言うと、Ruby未経験でもフリーランスにはなれます。
ただし未経験のRubyを使って稼げるかどうかという点は、大きな疑問符が付きます。
現在会社員としてエンジニアの仕事をしていて、JavaやCなどRuby以外の言語をすでに習得している場合は、エンジニアとして一定の実務経験があるため、追加でRubyを習得すればフリーランスとして案件を得られる可能性があります。
しかし、もしエンジニアとしての実務経験がなく、独学でRubyの知識を得てフリーランスになろうとしている場合、はじめからフリーランスとしてRubyの案件を得ることは極めて困難です。
つまり、エンジニア実務経験の有無によって、フリーランスとして稼ぐことができるかどうかが変わってくるということです。
ただし、エンジニアとしての実務経験がない方にRubyのフリーランスになることを諦めろと言っているわけではありません。
ポイントを押さえ、努力を惜しまず、強い意志を貫けば実現は可能です。
覚悟を持ってチャレンジしてみたいと思っている方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。
2.Rubyは初心者でも習得しやすい言語
Rubyは、1995年頃に日本で開発され、国内開発言語の中で初めて国際規格に認証されたプログラミング言語です。
アプリケーションソフトを作成するための、オブジェクト指向スクリプト言語というものに分類されます。
JavaやC言語はコンパイラ言語と呼ばれ、プログラムを実行するために人間が書いたコードを命令に変換するコンパイルという作業が必要です。
一方スクリプト言語はコンパイル不要で即実行に移すことができるため、手軽にプログラミングをすることが可能です。
開発者のまつもとゆきひろさんは、自身の好きな言語をブレンドして使いやすいものを作ろうとしてRubyを開発しました。
そのため、コードがシンプルで可読性が高いだけではなく、私達の母国語である日本語の解説書やリファレンスマニュアルなどが豊富にあるため、初心者が比較的習得しやすい言語だと言われています。
Rubyを習得すると、Ruby on RailsというWebアプリケーションフレームワークを使うことができるようになります。
まず、Webアプリケーションとは、Webブラウザ上で使えるアプリケーションのことを指します。
誰もが知っているYoutubeやAmazonといったサービスもWebアプリケーションです。
食べログ、クックパッド、グノシー、クラウドワークスなど、Rubyで開発されたWebアプリケーションの中には私達の生活に密着したものが多くあります。
また、フレームワークとは、開発で必要な機能(ルール、モジュール、関数)を予め備えたものです。
RubyのフレームワークはRailsだけではありませんが、最もメジャーで使いやすいものとされているため、使用する機会は必ず発生するでしょう。
Railsを活用することにより、1からコードを書く必要がなく、必要最低限のコード入力のみで実装が可能になります。
また、保守性に優れている点、プロジェクト内での役割分担をしやすい点などでも、多くのプロジェクトで取り入れられています。
Rubyを必須スキルとしている案件の場合、ほとんどがRuby on Railsを使用することになるため、Rubyを習得したらRuby on Railsの使い方を身につけておくことをおすすめします。
3.Rubyフリーランスエンジニアの平均単価は市場では高水準
レバテックフリーランスの調査によると、Rubyのフリーランスの平均単価は80万円、平均年収は960万円となっています。(2020年12月時点)
Ruby案件を検索すると、最高単価は115万円、最低単価は40万円程度です。中には時給制のものもあり、案件によって単価に幅があります。
また、実務経験年数によっても単価に差が出ます。
例えば、Ruby経験年数1年未満の場合、想定される付き単価は45万円程度、1年経験を積むごとに10万円ずつ月単価が上がっていくイメージです。
Ruby経験年数が3年になってくると70万円以上、5年以上になってくると80万円以上で、高スキルを習得していれば中には100万円を超えるような案件を受注できるフリーランスもいます。
RubyはJavaやPHPの案件と比較すると、単価が高めです。
JavaやPHPと比べてRubyを扱えるエンジニアが少ないこと、(PHPよりは)Rubyのほうが高いスキルを求められることが理由です。
ただし経験がモノを言う世界です。未経験で高単価のRuby案件を受注することは不可能なので、はじめから高望みをしないようにしましょう。
経験を積めば高収入を見込める分野であるため、チャレンジする価値は十分にあります。
4.Rubyエンジニアの需要は引き続き高い
Rubyを使用する企業の自社サイト開発、リニューアルの需要は引き続き増加傾向です。
Railsをはじめ、様々な使い勝手の良いフレームワークも登場しているため、Rubyは今後更にWebサイトやアプリケーションの開発の場で価値を高めていくことが予想されます。
レバテックフリーランスでRuby案件を検索すると、約1680件の案件がヒットします。(2021年8月時点)
交通系アプリの開発、チケット発券システムの開発、ECプラットフォームの開発など、様々な分野の案件がずらりと並んでいます。
必須スキルも様々ですが、Rubyでの開発経験やRuby on Railsを用いた開発経験を求める案件が多く見受けられます。
少数ではありますが、Rubyの実務経験がなくてもチャレンジ可能な案件もあるようです。
Rubyの実務経験がない場合、JavaやPHP、Pythonなどの言語での開発実務経験を求める案件や、Web系言語での実務経験という大まかな指定の案件もあります。
いずれにしても、ほぼすべての案件でエンジニアとしての何らかの実務経験が求められるため、Rubyは未経験でも、他の言語での実務経験は必要になると考えておきましょう。
Ruby案件は増加の一途をたどっていますが、同じペースでRubyを使えるエンジニアが増加しているわけではありません。
スキルを身につけ経験を積めばエンジニアとして重宝され、案件の安定受注も見込めるため、これからRubyのスキルを身につけることは大きな強みになるはずです。
5.Rubyの効率的な学習法
Rubyを習得する方法として、以下の3つが挙げられます。
書籍で学ぶ
書店に行くと、Rubyに関する書籍が並んでいます。
これらの書籍を使って独学で習得するという方法がありますが、書籍での勉強は挫折しやすいというデメリットがあります。
実際に手を動かしているわけではなく、進捗度合いもわかりにくく習得できているかがよくわからないという状態になりやすいため、初心者にはあまりおすすめできない方法です。
Web上の学習サービスを利用する
Web上には、プログラミング学習のための様々なサービスが存在します。
オンライン且つ双方向で学ぶことができるサービスとして鉄板なのが、
のWebアプリケーションコース~Ruby on Rails でオリジナルサービスを開発しよう~です。お値段は4週間プランで17万円前後です(2022年8月25日現在)。少々値は張りますが、専任のメンターがいるので、質問も可能。オンラインながら双方向の学習ができます。
次におススメなのは、「Progate(プロゲート)」です。
イラスト中心のスライド式テキストで、書籍よりも進捗がわかりやすく、復習もしやすい仕組みになっています。
また、実際にプロダクトを作成しながら学習を進めることができ、学習と実践が同時にできるのも効率的です。
Rubyフリーランスを目指すのであれば、まずはProgateでRubyの他に、HTML&CSS、Javascript、Git、SQL、Ruby on Rails5を学習してみると良いでしょう。
無料コースと月1000円程度の有料コースがありますが、できればどちらもクリアしておくのがおすすめです。
2ヶ月程度を目安に学習を進めてみましょう。
Progateでの学習が完了したら、「Railsチュートリアル」でRailsの応用をしてみましょう。
Progateでは基礎を学ぶことはできますが、実務により近いWebアプリケーションの実装までを学ぶならおすすめの学習サービスです。
スクールに通う
初期費用が少々多めにかかりますが、エンジニア育成のスクールに通うという方法もあります。
カリキュラムやスケジュールがしっかりと組まれているため、独学でスキルを身につけることに自信がない方はこの選択肢も視野に入れても良いでしょう。
講師やスタッフとコミュニケーションが取りやすい環境のため、疑問を早期に解決できるということも大きなメリットです。
カリキュラム終了後に就業先や案件の仲介をしているスクールもあるため、そういったサービスを活用するのも良いでしょう。
6.Ruby未経験フリーランスが案件を獲得する方法
フリーランスエージェントの活用が現実的
最初に書いたとおり、案件を獲得できるか否かは、エンジニアとしての実務経験の有無によって左右されます。
エンジニアとしてRuby以外の言語での実務経験がある場合、まずはフリーランスエージェントに登録してみましょう。
各エージェントの保有案件や担当エージェントとの相性もそれぞれ異なるため、はじめは複数のエージェントに登録することをおすすめします。
ただし実際に稼働し始めたら、トラブルを避けるためにもエージェントは一本化しましょう。
上でも書いたとおり、Rubyの実務経験がなくてもOKの案件も存在します。
自分が使える言語、これまでの現場での実務内容などを詳しくエージェントに伝えれば、Rubyは現場でキャッチアップすれば対応できる案件を紹介してくれるケースもあります。
どこのエージェントにも経験値が足りないと言われるようであれば、はじめからRuby案件に絞るのではなく、フリーランスとして他言語の案件でもう少し経験を積むという方法も検討しましょう。
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エンジニア未経験の場合は実務経験を積むことが必要
エンジニアとしての経験が全く無い場合、まずはエンジニアとして実務経験を積むことを優先します。
上で書いた学習を一通り終えた段階で、はじめからフリーランスとして案件を受注することは難易度が高いと考えておいてください。
実務経験を積む方法としては、IT企業にエンジニア職で入社するという方法が挙げられます。
未経験で入社するならば、起業してまだ年数の浅いベンチャー企業がおすすめです。
仕事が縦割りで分断されている大手企業と違い、ベンチャー企業であれば未経験からでも開発経験を積むことができる環境がある可能性が高いからです。
ここで数年実務経験を積むことで、フリーランスとして独立する道が開けてくるでしょう。
可能性は低いですが、フリーランスエージェントに登録し、Rubyよりもハードルの低いJavaなどの案件を紹介してもらうことができれば、そこで実務経験を積むこともできるかもしれません。
また、スクールに通う場合、スクール側が案件の仲介までをしてくれるケースがあります。
そこを足がかりに案件を得るという方法もありますので、自分にあった方法を探してみましょう。
7.まとめ
- Ruby未経験からでもフリーランスにはなれるが、実務経験の有無に左右される
- Ruby自体は習得しやすい言語のため、初心者にはおすすめ
- Rubyフリーランスの平均単価は80万円、経験1年未満では45万円程度
- Rubyの需要は引き続き高いため、身につけておいて損はない言語
- 学習するならProgateなどWeb上の学習サービスがおすすめ
- 実務経験が物を言うため、案件獲得のためには実務経験を積むことが最優先
必ずしも未経験から即フリーランスとして活躍できるわけではありませんが、Rubyは今後も高い需要が見込まれるため、身につけておいて絶対に損はない言語です。
フリーランスとして生計を立てていこうとしているならば、ぜひ身につけておくことをおすすめします。