SE・プログラマーが客先常駐することにメリットはあるのでしょうか?
結論から言うと、メリットはあります。
(デメリットは別の記事で紹介しています。)
挙げられるのは、以下の4点です。
- 未経験からIT業界に入れる
- 新卒SE・プログラマーがスキルを身に着けられる
- 長期安定して仕事になる
- (客先によっては)土日休み、定時退社が可能となる
ただし、開発案件と運用保守案件ではメリットは若干異なりますので、詳しく見ていきましょう。
開発案件で客先常駐するメリット
未経験からIT業界に入れる
炎上していてマンパワーが足りない開発案件では、何が何でも人を掻き集めるということが行われます。
ですから、未経験の人や新卒SE・プログラマーでも開発案件に潜り込めることはあります。
このようなケースでは、1人というケースはあまりなく、先輩とタッグで入るということが良く行われますので、その先輩との人間関係さえうまくいけば、なんとか仕事もできるでしょう。
もし、異業種から転職したい、文系でもエンジニアになりたいという方であれば、開発案件での客先常駐はメリットと言えるでしょう。
新卒SE・プログラマーが短期間でスキル・技術を身に着けられる
厳しい開発現場で納期のプレッシャーと戦いながら、顧客に怒鳴られ、嫌味を言われつつ、設計・プログラム・テストををこなしていくうちに、若手は加速度的に鍛えられ、成長できます。半年もすれば、かなり立派な技術者になることができます。環境は人を育てると言いますが、ただお勉強するのとはレベルが異なります。
よく、SE・プログラマーは開発現場によって1年で全く変わってくると言われますが、正にその通りです。しかも、給料まで貰える訳です。
全くのずぶの素人でも給料をもらって教育してもらえるのですからこれは大きなメリットであることは間違いありません。
運用保守案件で客先常駐するメリット
(客先によっては)土日休み、定時退社が可能
大規模プロジェクトになると、機能更新や運用保守が必ず付随しますので、1つのプロジェクトが3年以上になる場合があります。
安定稼働すれば、エンジニアの数も減らされるのですが、確実に機能追加や変更が発生しますので、0になることはありません。誰かしらが担当することになりますし、インシデント以外は急ぎの事案というのも少なくなりますので、毎日客先に出勤し、定時に上がることも可能になってきます。
また、月末の締め処理になると、バッチが止まらないように夜通しで監視しないといけないというデメリットもあります。
長期間安定して仕事になる
フリーランスエンジニアや派遣社員にとって、仕事の切れ目がないことが重要ですが、開発から運用保守で数年に渡って客先常駐することもできます。
また、所謂ユーザ企業(事業会社)のIT部門に常駐するケースでは、それこそ一生常駐することもあり得る訳です。
こういった仕事がつまらないと感じる人もいるでしょうが、安定して仕事になるというのは非常に大きなメリットです。特に、直受けや商流が浅い状態で入ったフリーランスエンジニアは、それなりに収入になりますのでメリットが大きいです。
新卒SE、プログラマーでもある程度スキル・技術を身に着けられる
運用保守フェーズになると外注単価は抑えられてきますので、バリバリの開発者は卒業して他のプロジェクトに駆り出され、未経験で入った新卒SEやプログラマーが投入されることになります。
(勿論環境によりますが)以下のメリットがあります。
- ゆったりとした環境で先輩技術者から色々教えてもらえる
- ミッションクリティカルな環境で鍛えられる
- 必要とされる知識・技術が幅広いため、色々学べる
以下でもう少し詳しく解説していきます。
ゆったりとした環境で先輩技術者から色々教えてもらえる
カツカツの開発プロジェクトでは、先輩に「ここはどうしたらよいでしょうか?」など聞いた日には、「そんなの自分で考えろ!」と怒られるのが関の山ですが、安定稼働している環境では。後輩や部下に色々と教える余裕が出てきます。
ミッションクリティカルな環境で鍛えられる
安定稼働しているシステムは、最大限の注意を払わなくてはいけません。
某レンタルサーバー会社のように、スクリプトを間違ってDBのデータを消してしまいました!みたいなことが起これば、損害賠償にすら発展しかねません。
また、自分のPCの動作が不安定になれば再起動で済みますが、サーバーともなるとそうはいきません。再起動ともなると、全ての機能が動作しているかをチェックリストで全てチェックしないといけないからです。
このようなミッションクリティカルな環境では、慎重さが求められますし、自分の行動がどのような結果を生むのか常に考える癖が付きます。
必要とされる知識・技術が幅広いため、色々学べる
運用保守となると、エンジニアが減りますので、勢い色々なことを任されるようになります。常に、リファレンスブックを手において勉強することになります。
ミッションクリティカルな環境で、幅広い知識や技術を要求されるのですから、大変は大変ですが、身に付くスピードも速くなります。
開発案件に比べるとスピードはゆっくりですが、3年位経つとある程度のスキルを持った技術者になって、卒業することができます。
まとめ
上記をまとめると、客先常駐のメリットは、
- 未経験からIT業界に入れる
- 新卒SE、プログラマーであれば、知識・スキルを身に着けることができる
- 運用保守であれば(一定の例外を除いて)土日休み、定時退社が可能
- 長期間安定して仕事になる
となります。
最終的には、自分の性格やキャリアプランと相談して決めることが望ましいと思います。
バリバリに技術で生きていきたい人間は、未経験でも入れる開発現場を皮切りにして、自社開発の企業に転職するなどした方が良いかもしれません。
一方で、スキルアップよりも、仕事として割り切ってゆったりとして仕事をしたい人は、客先常駐といのも一つの選択肢となります。
ただし、IT部門に客先常駐するのであれば、IT部門に入る方がいいことには間違いないので、まずはIT部門に転職できる可能性を探ってみましょう。
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また、もしあなたがフリーランスエンジニア若しくは希望者なのであれば、客先常駐をするにしても自社で開拓した直案件のみ扱う”商流が浅い”フリーランスエージェントをおススメします。